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飛行機(2001)

本当はalbum自体を話題にすれば良いのだろうと思う。
けれど、albumの1曲目、この曲を俎上にあげずにいられない。で、titleは、こうなった(苦笑)というわけ。で、以上、ご了承願って本題。かの曲に関する、お話。

「飛行機」はaikoのalbum『夏服』の1曲目。
誤解を恐れず言ってしまうと、私は昔も今もaikoはsingle、album、出ると必ず買う!という人ではない。買ってないことのほうが殆ど。
ただ、以前より『Japanese Dream』(NACK5)を聴いていたので、それこそ彼女のdebut single「あした」段階で存在は知っちゃあ、いた。が、その後も今もドップリ聴きまくりとはならなかった。
とはいえ、特に初期。そして大半のsingle曲は知っている。
かつ一度、大阪は「Cross Your Fingers」(2000年)で飛び入りした彼女を拝んだ。というのが翌2001年11月5日、東京国際フォーラム(ホールA)でaikoのliveを観るまでの、私のaikoの位置づけ。
ただ『夏服』が出る前。「初恋」が出た当時(2001年)に「えらくSoulだなあ」とニヤリとしたのは凄く覚えているのだ。それもintro.でニヤ(笑)だったことまで。
intro.の、それこそ、pianoから始まって、彼女のfakeが来たところで「ヨッシャー!」と。それまで感じられなかったSoul臭プンプンのfakeだったんだもの。これで彼女、一段階artistとしての階段をあがった!と少ない根拠で勝手ながら思ったくらいだ。

2001年当時「観たい時は観る時だ」とばかりにliveモノを行動力で攻め倒していて
「一度、観てみたいですなー」
となって、ticketを買って観たのがaikoでして。その日のliveが『有楽町で逢いましょう 〜Love Like Pop Vol.6〜』というDVDになっているのですが(微笑)まあ、さておいて。
この時、本編最後が「おやすみなさい」で。
encoreの1曲目が「飛行機」だった、というのが強烈で。

全く姿を見せなかったStrings teamが姿を現す演出がイカしてて。
本編終了後、するすると幕がおりて、暗転し。
その幕に光で雪がおちるような絵が投影されて。
その幕の裏で、それまでなかった弦の音が挟まれ。
それらの演出に少し場内がざわついて。
幕が開くと、そこに快活な空気が広がっていて。
Stringsの奏でる流麗(と言いたい!)な旋律のなか、Strings teamとband、そして、aikoがいる。
これをPA卓から数列後ろ、ド真ん中正面のposition(という席だった)で拝んで観なさい!ってば。涙腺にドカン!と来ますよ。

目の前が見えなくなったならば
思い切って目を閉じればいい
------aiko「飛行機」より

そう歌った彼女は、病気によるtour中断のあったtourを残り1曲で完走する。その瞬間を前に辛かった胸の内を言葉にしていた。
あの当時(私は表立って口にしたくなかったが)、仕事をしていて、自分自身の仕事のできない辛さを痛感するほうが殆どだった。できない辛さ、その責任の重さは置かれた立場もあるから内容は大きく違うし、当たり前すぎるが差もある。
けれど時に、自分が弱くなる時は誰にも等しくあるだろう?
stageを観ながら、そんなことを思った。思えば、先に引用した歌詞の後は、こう続く。
周りに悟られない様に黙って
自分を信じてあげればいい
------aiko「飛行機」より

この後「Strings入りの楽曲に滅法弱い」と自称する人に「初恋」の、あのintro.だもの。
「飛行機」の時点で既に涙目になっていたのに畳み掛けられては。
いかないで、という言葉が耳に残り、心には棘となって痛むという時に。

夏服
夏服
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Be as One(2006)

♪だ〜らけったッ、と思わず。
Sing Like Talking(SLT)「Livin' fot the beat」を唱いたくなったのは、ヤツらが出してこなかった引き出しに手をかけたな。
ニタリ、そう思ったから。
さもなくば同じくSLTでも「風に抱かれて」でのhorn sectionのブリブリな音圧、あれを思い出したから。
んなことを思ったのは『Be as One』もM-11「SAYONARA」を聴いて、なんだけども。
あー、間違えたらSLTでも「Together」なんだろうけど、あそこまでアゲアゲブリブリじゃないしなぁ…(あれは強烈過ぎる)

たたみかける疾走感でM-4「残照」に到達するまで3曲を息巻いた『FRENZY』とは違う。
かといって、クルリと頭とendとが繋がるような印象を受けた。それはまるで「うたたね」で始まって「Such a Lovely Place」で終わった『Such a Lovely Place』[槇原敬之]のようで、とひとり勝手に喩えた。あんなふうだ、と。静かに「Right on,Babe」で始まって「街角-on the corner-」で終える、そしてまた「Right on,Babe」に戻ってゆける『Dressed to the Nines』とも。
なんというか、真っ向。そう思えたことに驚く、アタシが(苦笑)

sg.曲も多く収録されたalbumだけど、収録されたsg.曲とそれ以外との落差が感じられないことが嬉しい。むしろ、それ以外の曲での気の張りようが有難い。
そして、曲順もかなり練って、こだわりにこだわって、この順番にした?と勘ぐりたくなるのだが、どうなのだろう?事前情報(雑誌、radioにtvと)を全然入れていないので浦島全開で?をつけて書いてしまう体たらく。
曲のendがハッキリした(fade outしない)曲が思ったより多いからか、それを巧みに使っているな、という印象を受ける。バッサリ切られることで、前の曲の印象を時には切り捨てられて、次の曲にゆける。
そうした上で大きく前半、後半(※repriseで置かれた曲が楔となって前と後とを分けたように思う)、その中にも前半、後半とpartをわけて聴き手をダラけさせない作り。にしたな。『FRENZY』とはまた違う、選曲の勝利。
個人的にはM-9「Let it go」からM-11「SAYONARA」の基軸に、前述にあるように♪だ〜らけたッ、とSLT1990年代さしかかり時期(3rd〜4th)のfunkな流れを思い起こさせるには十分で。は、あるが、前述で名前をあげた中でも「風に抱かれて」「Together」は7th『togetherness』収録楽曲(爆)だが、それは曲へのhornの有無から出るところに起因するかと思われる。
で、M-1「Street Corner Symphony」からM-2「一筋の軌跡」の夏!的流れで思い出すは山下達郎『FOR YOU』だったのだが、どうしてなんだ(自爆)と。決して頭から、あの有名なguiterのcuttingが入る「Sparkle」じゃないってのに。

あ。
「熱帯夜」の代わりに「狂詩曲」がくるようになったら、liveの最中、嬉しさに笑いながら踊り狂うことでせう。と先に言っておく。今のうちから。
だーーってさあ、これは踊れと言われてるような曲じゃないのよ。
そして、M-9「Let it go」のsmoothなサビ展開に掛け合い、エラく好物ナリ。
重箱の隅をつつくなら。
言っとこ、『Love Notes』ばりにbottomに人力を使わないのな!(毒)


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ルパン・ザ・ファイヤー(2006)

「BMG JAPANの楽曲が日本のiTunes Storeに登場」というのにつられてみました。
以前からSEAMOの、この曲「ルパン・ザ・ファイヤー」が気になっていたのさ。ということで、あっさりDLしてんでやん。
title通り『ルパンIII世』、あのthema曲に覚えの有る声が使われてます。

…、どうも私は昔からrapモノでもupめ、暴れ楽曲の系譜には弱いけども。それを改めて感じます。そういう意味では自己再発見、というか趣味ど真ん中。
例えば、BENNIE Kの「サンライズ」とか(微笑)弱いんですよねえ…


SEAMO「ルパン・ザ・ファイヤー EP」より「ルパン・ザ・ファイヤー」(iTS)

ルパン・ザ・ファイヤー
SEAMO Naoki Takada Shintaro “Growth” Izutsu Takahito Eguchi LEMS
BMG JAPAN (2006/07/26)

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Attends ou va-t'en(1994)

この曲に対して、私とTakiさんとの意見は対立する。そうなるってのは、このふたりの間では知れていることなので、どうってことはない(喧嘩することじゃなし)。
でも、その対立軸が垣間みられるのが「replay」という対談の中にある、こんなやりとりからうかがい知れなくもない、か?と思う。

S[さち]:(The Gospellers「Promise」は『Japanese Dream』のchartの)最終週逆転だもん、あの前まで2位、(1位に)原田知世よ?あたしは最初、そっちが行くと思ったんだもの
T[Taki]:あたしはゴスペラーズが行くと思ったなあ、あの時は
S:それで「Promise」が1月に(グランプリ曲としてフルコーラス)流れるじゃん?「何で、こんな地味な曲が?」って言った人だよ、あたしは。
-----対談「replay」より

そう。
かつて『Japanese Dream』で、The Gospellers「Promise」に1位をかっさわられた曲が、原田知世さんの「Attends ou va-t'en」だ。
Electricなのに懐かしい感じがする。
回廊の中に放り込まれた感じの、Aliceなら兎の穴に落ちるような。
音に心を奪われたら言葉は「どーでもいい」と私はオーライ、となってしまうことがある。割と日本人が歌うbrokenな英語も音楽で聴いてる分には…、な人なもので。異国の言語の発音に関しては気にしちゃなかったり。
一方、Takiさん曰く「あの人の仏語の発音が」(爆)
コレは英語を捨てて仏語で大学入試を突破した人(!!)だからこその指摘かもしれぬ。
大学でも私、独語選択で。仏語…、全然知らないのだ。だから何とも思わない。んだろうなぁ…、少しでも知ってたら確かに気になるかも。
とはいえ知世さんの「T'EN VA PAS」も平気だったんだよなー…

話を戻す。
で、この後から知世さん、musicianとして注目されるんですね。
この後に出た「100 LOVE-LETTERS」あたりから。sg.でいうなら「ロマンス」とか「シンシア」とかに繋がっていく。この過程で注目されていく。
albumでなら『clover』に『I could be free』へと続く流れ。
だから、これは前夜というべき時期の曲かもしれませんね。

流石にsg.盤では私も持っておりません。
この曲の収録されたalbumでなら持ってます。Amazonへのlinkもalbumに。

Egg Shell
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原田知世
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CONCERTS(1996)

塩谷"SALT"哲(pf)+佐藤"SUGAR"竹善[Sing Like Talking](vo)によるunitが「SALT&SUGAR」。
sg.「Diary」、今回紹介のal.『SALT&SUGAR-CONCERTS-』とをreleaseし…たのって10年前になってしまうのか!(愕然)1996年の出来事。
そりゃあ、歳もとりますよ<何を今更。

形態的には、Kiroroのオトコ版(自分で喩えてどーよ?と思ったが、置いて)。
でも、Kiroroほど楽曲全体の質感が重くならないので、どっちかといえば(今なら)ナチュラル・ハイ、彼女たちのtasteに近いんじゃないか、って思う。
もっぱら、演奏するのは洋邦問わずcover中心。
そういうことから自然と
・liveの会場に、このunitで登場する。
・tribute albumの類に「SALT&SUGAR」名義で曲を入れることもあり。
・なかなか、次の「SALT&SUGAR」名義の音源(特に、albumが!)が出てこない(爆)
となる。
cover中心ながら、SALT&SUGAR名義のoriginal楽曲も存在している。が、「Diary」「Daybreak」「もみの木」の3曲のみ(爆)
2002年5月、CYF[CROSS YOUR FINGERS]の席で「originalを増やそう」発言があったことから「遂に4曲目のoriginal楽曲が生まれるか!?」と思われたが、その後も進展ナシなご様子。

収録されたcover曲の数々は、このalbumを作る為に、事前にtourを行って。その時に収録されたlive音源。演奏も内容も、どっちかといえば、jazzのalbumの類い。と思って相違ない。
ただ、曲に因っては、live音源の上にstringsをかぶせているものもある。

もしも、自分の手元に10枚しかCDを残せないとしたら?
先ず、SALT&SUGARの『CONCERTS』は絶対外さない。
これは絶対。
次に選ぶのが『The Gospellers』(1995)、The Gospellersのmajor最初のalbumだ。
-----、この2枚は確定。
残り8枚を悩んで、選ぶ。
これが5枚しか残せないとしても1番最初に選ぶ、2番目も同じ。
何度、何十回、聴いても新鮮さがひとつも落ちない。これが最大の理由。

個人的に推すのはM-4「Wait For The Magic」、本家・Al Jarreauのversion以上に激ハマり。
3曲しかないSALT&SUGAR、original楽曲のうち「もみの木」は以前、radio番組の中で、The Gospellersの黒沢さんが妹尾さんのpianoで挑戦していました。
『GOS' MEGA STORE』で、2001年12月の出来事です。
当時のアタシが抱いた、黒沢さんの「もみの木」を聴いた感想は…
難易度の高い曲相手に歌い手は健闘していると思った、し。
妹尾さんのpianoってSALTと比べて硬質で男性的だー…と改めて思った、し。
と、あるんですが。この際だから本音ぶっちゃけると(爆)
----、勉強しようぜ薫ちゃん。
の一点だった、と。

あー、辛口だよ!と開き直ってしまう他、ないですが。
一寸足らない。
その足らない隙間分が「勉強」の領域。それだけでグンと歌い手としての格があがる、そう思った。だからこそ、叱咤激励を込めての辛口。
黒沢さんが歌った当時、私は毎年「もみの木」聴いて一年が終わる人で。即ち佐藤竹善の領域を知っちゃっている、というのが聴き手最大のアダ。と言える。
哀しいかな、originalを知る人間にとって、coverされるということは、originalの持つ残像を越えてこそ。それで初めてcoverに成功したって言える。original以上に厄介なものなんです。


Concerts
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サム・クック トッド・アーバノス Salt & Sugar 塩谷哲
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樹海の糸(1999)

sg.「カウントダウン」から知っていながら、Coccoのalbumに今も手を伸ばせていない。
彼女に言葉に揺さぶられまくって自分が疲れてしまう。
弱い自分が、楽曲に憑かれてしまう感じがする。
だからか、好きな女性artistのひとりの筈なのにalbumを通して聴けない。手に取れない。怖いのだ。激情型の一面に触れたら、あたしが、この激情に揺さぶられて壊れる。そう思うが故に。

その一方で、こんなに温かな声で綴られる歌もある。
彼女らしく、歌詞に牙を残しながら。
それにしても。頭の中が真空になった時、フッと思い出すのは、自分自身意外に思うが何故か、この曲だ。この曲の終りも終り、このphraseがクルリと巡る。

溢れ出る憎しみを 織りあげ わたしを奏でればいい
やさしく殺めるように
------Cocco「樹海の糸」より

樹海の糸
樹海の糸
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Cocco 古川昌義 根岸孝旨 白井良明 柴田俊文 向山テツ こっこ 堀越信泰 佐橋佳幸
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overjoyed(2001)

rumania montevideoから三好姉弟を抜いた3人で編成された、band内unit、RAMJET PULLEYの2nd singleが「overjoyed」。
曲のtitleでStevie Wonderの、かの曲が思い起こされる。

確かNACK5から流れて来て、急ぎ調べをつけ、中古CD取扱店で奪取成功(爆)という個人的何時もの構図(自爆)で入手。
春の入口という季節のrelease timingで、その季節を思わせる曲全体の緩やかさ、たおやかさが印象的だった。
全然カツカツしていない、とでも言えばいいのか。
機械的でありながら人間味を残した(平熱の)backingに、浮遊感のある、線の細い女性vocalが曲を牽引する。

melody全般、曲構成もしっかりしている。途中、chorusが別melodyを歌ったり等あって、思った以上に力を入れて作られていることがうかがえる。
だから、こうしてしっかり曲を聴くということも可能だが、一方でBGMとして流して邪魔にならないところを長所と捉えるか?短所と考えるか?かな、と。今後があるならmelodyの良さや歌詞の上手な配し方によって、どう、人の心を惹き付けるかを画策すれば…という感じ、だもの。


RAMJET PULLEY al.『a cup of day』より「overjoyed」

over joyed
over joyed
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RAMJET PULLEY Satomi Makoshi Satoru Kobayashi
GIZA (2001/04/04)
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RALLY(1999)

歌と闘うbass line。
Cymbalsを端的に表現する言葉を自分の中で捜したら出たのが「歌と闘うbass line」だった。
この曲はbassの自己主張よりも表向き、pianoの暴れ方が大きいから(笑)bass lineまで耳が届きづらい。けれど、後に出た『RESPECT』収録の「Situation Vacant」あたりは正直、曲中guiterよりbassに耳が行ってしまった。
相手の歌を活かしながら、歌と闘って、己を主張するbass弾き。
あまりいないよな、この日本じゃ。と思う。

正直あまり聞く言葉でもない。歌と闘う、というのは。
「bandでvocalあり」の場合、どう考えたってvocalが主と考える。だから楽器はbackであり、歌を引き立てようと試みる。
だから、それに対して「ぶつける」というのは聞かない。
「歌と闘うbass line」と言われると、私は「RAINDROP TRACES」[L-R]のbass lineを思い出す。L-R絡みでそういったinterview記事を過去に読んだ覚えがあるから、というのもあるのだろう。
その時に引き合いに出した曲が「RAINDROP TRACES」だった覚えもあって出るのだが、確か、vocalist(L-Rだと黒沢健一氏)の度量を信じてbass lineを歌にぶつける形で弾いた、という木下氏の話。
なんか、それを思い出すには十分なbassの暴れ方だ…
以来、Cymbalsと言うと、どうも「歌と闘うbass line」と思ってしまう。こうして今も。

曲中、breakが入ってwhisper気味に「騙されて どんな気分?」と言われても曲の疾走感もあってか、スカッとした爽快感が残る。
騙されても気持いい!というのか。
それはbassを筆頭に、曲の中での3人の暴れっぷりの痛快さに心踊らされているから。きっとそうだ。


RALLY
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Cymbals 沖井礼二 ニック・ロウ 土岐麻子
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男子度高めの交流戦

TBS RADIO『JUNK』金曜枠が10月まで「交流戦」と題して週代わりで放送中、それにあわせてpodcastingも交流戦仕様になってます。

感想。
どれもこれも男子度、高いぞ…
個人的に爆笑問題、伊集院光の回、ものすごく面白い!(嬉)

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Blue Gray(1992)

以前、宇井さんの「DOOR」に関するentryを書いた際に"早川美和さん"とお名前を出していた。
そうやって自ら話題に出しておきながら、その曲に関して私は何ひとつ、書いていなかった。
己の反省を込めつつ。

早川美和さんは、第1回MUSIC QUEST世界大会を、この曲、「Blue Gray」で飾る。
1992年12月にreleaseされた「Blue Gray」がdebut singleであり、現時点、彼女名義の最後のsingleとなる。
その後、数曲の楽曲提供を行うが、その中に宇井さんの「DOOR」がある。

「DOOR」が(どちらかといえば)「動」ならば「Blue Gray」は「静」の曲だ。それは曲のtempoや編曲もあってのことだし、結果、mediumめな「DOOR」とballade然とした「Blue Gray」という差異でパッと思いつく点でもある。
けれど、どちらの曲も冒頭からimpactのある言葉を置いているのは共通だ。
現に「DOOR」は、こう始まる。

彼女は裸にならなくてもいい人生を
選んでも良かったのに
彼女は服を脱ぎ捨てて
裸になる今日を選んだの
だから私 彼女が好き だから私 涙が出た
-----宇井かおり「DOOR」より
このサビの〆。
この〆が入った時、豆鉄砲を食らったようにポカンとした。あなたじゃない、「彼女?」となった。軽やかにポン、と心のairpocketにキレイにshotを決められてしまった。
軽くdamageを受けて、深夜、radioの前で吃驚したのを今も覚えている。

一方「Blue Gray」は、こう始まる。
私を愛する努力はいらない
身分証明も サインもいらない
-----早川美和「Blue Gray」より
………。
ド頭から「いらない」startなんである。
「いらない」から始まる「ない」「ない」の否定は、この後も続く。
けれど、否定の連続はサビの、この一行に繋がることで一転救われるのだ。
ゆけるまでゆきましょう 天国に一番遠いところ
-----早川美和「Blue Gray」より

誰かを愛することは(もしかしたら)ふたり、ゆけるところ。最後(最期)まで共にゆくことなのだろう。
それは理想型のひとつだし、最終的にそうなっていれば。というものに思えるが、何かの折に「このまま、この人と続くのかな」と思うのは誰にもあるように思う。
そう思うと、この「ゆけるまでゆきましょう」というphraseが「愛する」という単語以上に雄弁に、曲の主人公の愛の形を語っていることに気づかされる。
曲中の「ない」「ない」の否定は、形あるもの(身分証明/サイン/お家/食卓/車/レストラン)と、形はないのだがふたりの間では無駄で無意味に思われるもの(愛する努力/他人の祝福/全てを許す努力/けじめをつける気遣い/誰かの紹介)の2点に集約される。
そういう、煩わしいものはいらない。
このまま、あなたとゆけるところまで。
それは不要や不浄を削いで表出する本質のみの姿、そして形だと思う。

早川美和 「Blue Gray」sg.より「Blue Gray」 (iTMS)

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