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万華鏡(1979)

図書館で「青春歌年鑑」「続・青春歌年鑑」seriesを手にする機会があって、1970年代から最後になる1990年まで幅広い年代のCDを借りてきては、それをiTunesにおとして聴いていたのだが、岩崎宏美「万華鏡」を聴いた時に思ったのは「音、随分とSoulでねーですか!」



筆者における岩崎宏美のrealtimeの記憶は1990年代半ば、佐藤竹善氏とその周辺の音楽仲間たちの手を借りて『FULL CIRCLE[+3]』(amazonのlinkは再発盤)というalbumに結実するあたりになってからだ。
彼女の長いcarrierでも後半になるだろう。言ってしまえば、debutから岩崎宏美を追いかけている辺りでは、本人の趣味も入ったこの時期は評価が分かれるあたり(爆)ではないだろうか。と推察する。
それ以前に私が岩崎宏美に持ち合わせる知識は「ズバリ、歌謡曲の人」「女性歌手でも歌が抜群にうまい」に尽きて、それで終わるのだ。
知っている楽曲は?と訊かれたら「聖母たちのララバイ」が出てくる。あと「ロマンス」「すみれ色の涙」。後になって、曲を聴いてみて「そういや「家路」も聴いた覚えにあったなー、この曲だったのか…」となったが(自爆)他を聴くうちに聴く機会も無く、大人になるまで一度も被らずに来た音楽が岩崎宏美のdebutから「聖母たちのララバイ」までの一連の流れだった。

だから今時分、こうして「万華鏡」を聴くと「なんかさ、こういう洋楽の。Soul系の曲ってあったよねえ。1970年代あたりに」というのが先に口をつく。
特に、曲の2番が終わってからのhummingからの展開。chorusが高音を張り上げていく中を「夢だと言って 嘘だと言って」サビが繰り返される様は、まさに向こうのSoulの手法そのもの。あれを日本人向けに落とし込んだものじゃないか?とさえ思えてくる。
これを「ロマンス」など初期岩崎楽曲を手掛けた筒美京平ではなく、馬飼野康二が。というのが面白い。

大学時代、それも18の時に大人ぶって、わけもわからずRoy AyersのCDを聴くという行動をしでかした自分がいるのだが、18歳に「Love Fantasy」なんてーのは艶めかしさを通り越した直球エロであり、後に「Roy AyersはヘッドフォンなしじゃCDを聴くことすら出来ない!」なる「あれは"聴くエロ本"だ」論をするに至るのだが(自爆)そういう音楽を迂闊に知っているものだから、この曲はSoul系もDeepな方向なのにもかかわらず、清潔な印象を受ける。
じゃないと、hitしないよなぁ…
目の前の事実にバラバラに心を打ち砕かれた女がショウ・ウィンドウを見る。その反射する様=万華鏡が前に立って、僅かに妖艶さが来て、エロ味って全然だよね…となるのもあって、どうにも印象は「清潔」「キレイ」だ。だが、歌われているのは、男が別の女といる現場を目撃した女の心理である。
これは曲の主人公たる女に感情移入して距離を縮め過ぎ、ハマり込み過ぎなかったからこそ、だろうな。これを歌い手が深くハマり込んで歌ったら、これは観ている側も痛ってーなと思うぜ。

て、曲がWikipediaを見たところ、車のCMで使われていたと知って二度驚いた。



だからだろうなあ、2番の歌詞に「バック・ミラー」とあるのは。と非常に納得。なのにCMで使われているのは「バック・ミラー」のない1番の歌詞じゃーーん!
そして、最後に番外。松本明子の岩崎宏美「万華鏡」(モノマネ)。



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