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五秒の再会(2002)

「五秒の再会」がうまれた背景がよくわかる一文を引用する。

このデュエットソング「5秒の再会」は、11/4(月/祝)より全国JFN37局で展開中の「FM FESTIVAL 02 Radio☆United〜Dream Collaboration〜」のコラボレート企画で、ラジオのリスナーから寄せられた"未来の夢にまつわるメッセージ"をもとに二人が共作した楽曲。
----- Excite Music : [斉藤和義と玲葉奈] ラジオの企画で夢のデュエットが実現!イベントにも出演より一部抜粋
この時から7年も経つと、この当時の企画色も脱色されて意味をなさないことに気付く。当時そんな企画あったんか、とさえ思えてしまう。
ちなみに、斉藤和義と玲葉奈のどちらも私は知っている。斉藤和義との出会いは「君の顔が好きだ」だし、"せっちゃん"の所以も(ゴフゴフゲフン
玲葉奈はdebut sg.「オレンジ」もG.Loveとやった2nd sg.「The Beat Goes On」も知ってて、その後にeventモノで歌う姿を2度…、観たかな確か。だ。
知っている二人が組んで歌う。「まあ、悪くはならないでしょ」言葉は高見の見物的だが当初、私が思ったことだ。

「五秒の再会」の歌詞で印象的な点は、個人的に、この一行。
今年も冬になってジョンレノンが街にあふれてる
----- 斉藤和義と玲葉奈「五秒の再会」より
John Lennonが亡くなったのは12月だ。私は、前に置かれた「冬になって」より、後の「ジョンレノン」という6文字に勝手ながら作り手の思い入れがあるように感じる。
「冬になって」よりハッキリと「嗚呼これは12月なんだ」と思い知らされるものが「ジョンレノン」の6文字にある。それをサラリと織り込んだところにワーー、ヤラレた!と思った。
これが"duet"と思えないほど日本人的湿り気がない。それっくらいcoolで淡々と歌われているが、歌詞の主体は身も蓋もなく言えば「昔、付き合ってた人と偶然、会ったのさ。すれ違うだけのニアミスのようなもんなんだけどね、互いに今の人といたしね」である(苦笑)湿り気を出そうと思えば幾らだって出せる。その描写から曲は始まる。
いつものあの坂道で あの人とすれ違った
イジワルな甘い偶然 蘇る甘い日々
----- 斉藤和義と玲葉奈「五秒の再会」より
前述の企画や、その後のliveのことを思えば、普段はsoloで活動している人が一曲だけ組んで一曲だけ作って人前で披露して別れるのは得てして「あの人とすれ違う」のに似ているのかもしれんなぁ…
などと思案してしまう。しかし、そんな企画色が年月を経て脱色されると、裸の楽曲が手元に残るのだ。
感傷は僅かに苦さとなって残るけれど、それが日本人的湿り気に転じない。転じさせなかった。そうすることで涙の跡の乾いた曲だけが風に吹かれている、そんな感じ。

斉藤和義 album『Nowhere Land』より「五秒の再会」斉藤和義と玲葉奈(iTS)

五秒の再会
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