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愛カタリ(2003) / 彼方(2007)

ナナムジカ「彼方」を聴いて「パッと聴き、ナチュラル・ハイの「愛カタリ」みたいな曲」と不遜なこと思ったのを覚えている。
なんか似てないか?両者の共通項は多いぞ。どちらも女性ふたりのunitで、vocalとpianoというKiroroを思わせる構成で。「愛カタリ」「彼方」に曲を絞って語るなら、双方の曲とも編曲は叩き付け系のpianoに弦(strings)が絡み、歌詞に潜む激情を引き立ててゆく。そういう楽曲だ。





だが、最初思った「似ている」は聴き込むと「違うとこ、あるわ」
少しずつ、その差異に目が行くようになる。当然、歌詞のthemaは異なる。が、それ以外で。
pianoとvocalという"unit"が振り子の球だと仮定したら、この曲は、どの音楽分野へ振り子は振られていたのか?

ナチュラル・ハイ「愛カタリ」がreleaseされた当時、添えられたpromotionの文面に振り子の方向を紐解くhintがあるので抜粋する。

Natural Highの2ndシングルは、ほとばしる愛、狂おしい情熱を歌った激情ラブ・ソング。クリヤマコトをプロデューサーに迎えた、豪快なジャズ・ポップ・サウンドに仕上がっている。
----- 愛カタリ - Natural High - Yahoo!ミュージックより抜粋
そう、Jazz寄り。
ナチュラル・ハイ「愛カタリ」は聴いてて、"piano rock"という印象を受けないのだ。rockという色がいちばん薄い。それに比べ、ナナムジカ「彼方」には、piano rockの匂いが立ちこめている。
規格がCCCDになるが、以前、ナチュラル・ハイの1st albumを一通り聴いたことがある。
その時の感想が「Kiroroで印象づけられた女性vocalとpianoのunitの"洗練されなさ"が、彼女たちに、ない」だった。ナチュラル・ハイは"cool"だ。粋でおきゃんで洒落ている。褒め言葉として、女性に対して"handsomeだ"と言える、そんな風な感じが、このunitにはある。
ナナムジカは、また違う。ナチュラル・ハイ同様に洗練されてはいるだろう、だが、彼女たちに"handsomeだ"と言うのは少し、違う気がするのだ。その違いこそ"piano rock"、特にrockの匂いの分だけあるのかな、と睨む。

愛カタリ
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彼方
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