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鯨(2004)

女性アイドルという分野で考えて「歌える」「踊れる」というのは当初、素人寄せ集め集団だった娘。が気付けばやれるようになっていたことでもあり、じゃあ、どこで差別を図るのか?となると"楽曲"になるのだろう。
彼女たちがデビューした2004年というのは娘。の持つ瞬間最大風速もなくなった頃のように記憶しているし、だから表舞台に正面切って顔をのぞかせたともいえる。
アーチスト(ここではハルイチ・本間というポルノグラフィティ人脈)に曲提供を求めるのは戦略的に正しいし、それを受けた彼女たちも曲に応えて自分の歌・ダンスの実力をキチンと提示している。そのあたりに隙はない。
このあたりの韻の踏み方は教科書のようだ。

愛した真実 失くした事実 ささやかなる落日
-----Buzy「鯨」より

でも、引用した一行は曲の終盤も終盤。2番まで回して別メロ挟んでギターソロ入れて、後、一発キリなのだ。主に出るのは別のフレーズである。なんちゅーこと… orz
肝心の歌詞はサビで罪だ罰だと言うけれど煎じ詰めれば「私、生きていて良いのかな」路線。ただ、その表現はひねったところがあるけど。

5年経ってPV観ながら思うのは、彼女たち、女性アイドルの括りに入れると個性より実力が先に立つ感じがする。「歌もうまいし、ちゃんと踊れるし、曲の表現も出来ている」だけど、そこから先の言葉が見つからない。とはいえ結成から2年、前身のグループ含めたら6年、の念願かなったデビュー曲。だから「各自の色、個性をこれからつけて行こう」という状況だったのかもしれないが。
「色をつける」を念頭に置いてPVを観ると、アイドルものにしては不親切なくらいの全編モノクロで白と黒でしかないのは、白と黒から始めて、そこから各々の色をつけていこうと思っていたからだろうか?と邪推してしまう。その一方で「この先、どう変わって行くのだろう?」という兆しが見えてこないのだ。アイドルとしての成長物語の先が、そんなに変化無く、割合直ぐ終りになりそうな不安さえ覚える。ならば女性ボーカルグループに仮定すると、他と同等というか…。正直、このレベルはいるだろうな、であり没個性なあまり周りに飲まれて埋没、轟沈しかねない。
結論。アイドルの成功って思いのほか難しいのだなぁ…(嘆息)



鯨
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