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未来色プロポーズ(2008)

河口恭吾というとパッと「桜」が思い出される。
モノクロの写真に桜色が差し色として差し込まれる、それで世界が成立してしまう淡い世界。数色で表現されてしまう曲に、私は「この曲は"素描"か"白黒写真"のようだ」と思った。

しかし、「桜」から数年を経て、これまでの間にsg.として複数の楽曲が耳に届くようになって、その中にはタイアップもついた曲もあったりして(微笑)といった過程を経ていき、自然carrerが長くなると、"それ"を思うようになった。
"それ"は。
-----、もしかして曲に合う色を塗るのが苦手なのかな?
言うなれば、曲に合う上等のorder-madeの上着を作ってやること。
曲は良いモノがあるのだからarrangementで、もっと曲の世界も広げられやしない?
だからスキマスイッチの常田くんと組んでsg.もal.もやると知った時に面白いと思った。これは良い選択。



スキマスイッチの場合、sg.群をさらっても色が多種に渡るし、実に多彩だ。
debut曲「view」で見せる、ザラザラとした夜明けの蒼を。
(この曲を聴いた当時に「彼らわかりづらく始めてしまったなあ」と思ったものだった。槇原敬之がsg.のdebut曲で「NG」を出したのに似ている)
一方で「全力少年」の、あのイントロだけで自分の頭上に青空が広がり、風が吹き渡る高揚感を。
どう、河口の曲にproducerとして、常田は色(arrange)をつけるのか?

al.に先んじて出された「未来色(ミライロ)プロポーズ」は、歌は丁寧に言葉をおさえつつ、曲もガツガツ走ること無く、一歩一歩進むようなtempoで、そう人生で何度と無い瞬間への物語を綴って行く。そんな曲だ。
この先のal.のpilot盤として"様子伺い"を兼ねての曲であり、同時に河口恭吾の「それまで」と「これから」をしっかり繋がないとならない曲でもある。
今回のように新たにproducerを立てることで、musicianが、それまでとは違う流れに行く効果がある。それは同時に、それまでを知る人にとって「これまでと違う」と言われる要因となる。だからこそ、より「それまで」と「これから」を出来る限り損なうこと無く"曲"で繋がないとならない。
数色で淡く彩られた印象は、此処にはない。
此処にはしっかり色が塗られた絵があり、白黒だと思った写真も鮮やかに色が現れたものとなった。
----- そして、これはalbum『HORIZONT』で、より強められる。
al.序盤。2曲ほど聴いて思ったのは、Something ELseがsg.「磁石」をやった時のようなんだよな!此れ(過去に、この曲で書いたentryあり
それをal.全編でやろうとした、って感じ。
常田くん、河口恭吾でAORをやろうと思ってるんじゃね?(微笑)
これが渋過ぎると「エイリアンズ」あたりのキリンジになるんだろうけど、popsに軸を置きつつもAORに攻めよう!って路線なのよ、al.は特に其れが出てます。




未来色(ミライロ)プロポーズ
河口恭吾
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