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MIND CIRCUS(1996)

先日、ともさかりえ「カプチーノ」に関して書いて、文中、「歌う若手女優」として中谷美紀について触れた。
ならば触れねばならぬ。中谷美紀。
坂本教授プロデュース第1弾。ともさかりえ「カプチーノ」の出る3年前、1996年リリース作品。
てことは、中谷美紀20歳かよ!!
こないだ19歳から20歳云々、なんて文章書いてた、てーのに!<心の声



中谷美紀自身で作詞を行うようになって、以降、曲の世界観・表現が、この曲にある体の良いわかりやすさから離れ、独自独特の世界に暗く重く閉じたものとなり、最後はフェードアウトした感がある。だからか、このデビュー曲(正確には再デビュー曲)の持つ儚い中に見える仄かな明るさは救いでもある。
底が見えすぎない程度に保たれた"わかりやすさ"が散見されて、こりゃ受け入れやすいわ。
そして、"わかりやすさ"/"わかりやすすぎなさ"の到達点はドラマ『ケイゾク』のOPで使われた「クロニック・ラヴ」(1999)だろうと思う。彼女の歌手活動のひとつの頂点は、現時点で、これになってしまうのだろうか。
(余談だが、DoalaモノMADに『ケイゾク』を模した作品があって、既に動画サイトからは削除されてしまったんだが、何度も何度も観入るほど好きだったんだよなあ…。曲は「クロニック・ラヴ」、あのOPばりにドンドン画像が入れ替わる。ただ、その画像がDoalaという・爆)

ふと、再デビューしてまで歌を歌うことを選んだ彼女が、どうして歌手活動を辞めたのか。と思う。そんなこと訊いたら、笑いながら、辞めたんじゃなくて一度休止しただけよ、と言われそうなんだが(自爆)
女優の傍ら文章を書く、それによる評価が歌で表現することより勝ってしまったからか。はたまた女優だけで行こうとなったのか。兎も角、教授の興味がついえたかのように、教授の、彼女へのプロデュースワークも途中から散漫となり、彼女の歌手活動はイコール教授プロデュースで終わってしまった。
歌手・ともさかが、自身の"お仕事"からの脱却で「カプチーノ」以降の音楽表現へ踏み込んだように見受けられる一方で(その後の彼女の女優としての出演作を見ると、何か芯が通ったようにも思う。ドラマなら『すいか』とかね)、歌手・中谷は教授が表現するモノを的確に表現する人になり、結果として、それで終わってしまったように見える。
"的確に表現する"けれど、教授と中谷はあくまでプロデューサと歌手の互いの立場をプロフェッショナルで、それを一定期間遂行した。という感じ。決して悪くはないけど、良質の作品もあるだけに惜しまれるところ。

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