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WALKIN' ON THE SPIRAL(2004)

えーー、the pillowsって今年20周年か!
こういった記事を目にし、この時期になって(吃驚!!随分前の曲よ?)熱を帯びる「Funny Bunny」(『ツルモク独身寮』でKAN「東京ライフ」がfeatureされたのを思い出すのだが如何?)を目にし、襟元正さんばかりに5年前に出たDVDを手に。
結成15周年の節目に出されたDVDを再度紹介(一度、release当時にやっているので再出だわね)。

だが。
実のところDVDを観た当時に思ったことと、5年経て観た感想がさほど変わらない(苦笑)だから、素直な感想が綴られた当時の文章を掘り起こすことにする。
以下、2004年10月4日のニキ(diary)、抜粋。

the pillowsのDVD『WALKIN' ON THE SPIRAL』を観終えて思ったことは「…、これは今だから出来るんだなぁ」だった。
大きく嘆息。
バンド初期・中期。1980年代末期から1990年代中盤の彼ら不遇の時期を自分たちでガンガン語るんだ、回想とはいえ。怖いって。本編60分ちょいなのに45分余りが葛藤の歴史、総ざらい状態で。
メンバーは兎も角、事務所スタッフ、事務所社長、マネージャー、現サポートミュージシャンにプロデューサー諸氏まで出揃っての語り合いは総力戦モノ(なのに中村貴子嬢には何故凍るんだアタシ)。
知ってはいたけど、さあー、the pillowsって最初は4人で始まってて、リーダーが途中で脱退してる。とか(苦笑)「Tiny Boat」が鬼門だったーー、とか(爆)けど、恐ろしいのは「脱退します」発言をしてる映像、入れるんだぜ、あーた。

越えたことだからとはいえ怖えええーーーーッ!!!!(叫)
------diary:041004より

以上、過去ニキ抜粋、デシタ。
私が受けた"怖さ"、は、此処まで自らの(負の)過去をおのが手でバッサリ振り返ってみせる"現役"のbandは、あるのだろうか?と思ったら起こった、straightな感情だ。
この手の"looking back"なモノはcarrierが長くなると、その都度、折りに触れて起こる。
だが、この手の振り返りモノは、受け手個人の現在進行状態の期間の長短によって、その影響度合いが様々となる。(一方で、この手の振り返り企画によって、期間の長短問わず足並み揃え的な一定の意思統一を促している…とも言えるのだが)
carrierと平行した期間が短ければ見知らぬ分だけ、その情報を丸呑みし、鵜呑み状態になる。その一方、carrierと平行した期間が長ければ、時に「何を」と文句が出かかり、苦いモノを余分に味わうことに繋がる(爆)現に、この手の振り返りモノにおいて言及しないヌルさを嗅ぎ取るのは、こういった期間の長い界隈に多い(だろう)し、それをも黙らせて初めて「仕事が出来た」と言える。
だから、今回のDVDで言えば「初代リーダー脱退発言映像」を出されたら最後、作り手側に己の過去を美化するヌルさは微塵も無い。と看做す。だから、向こうからの出す覚悟、出し切る心意気を心して受取る他、ない。
そして、バッサリ過去を斬った分、その斬り口は青く清々しい。その青さが"怖さ"なのだろうか。

受け手に過去を押しつけはしないが、様々な人間の数々の証言のpieceを繋いで、過去にあった事実を与えて行く。そんなDVDだ。色々あって、そして、あり過ぎたからこそ、活動の回転も良く、bandの状態も落ち着いた良き頃合いに理路整然とした形にして、受け手に届けたのだろう。それが「15年」という節目の時だったのだと思う。

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