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光について(1999)

「光について」の前にsg.で「スロウ」が切られていて、1999年から2001年頃の私は「スロウ」にヤラれていた。
正に「スロウ」曲中にある通りに。

見とれては消えた
-----Grapevine「スロウ」より

そう。その歌詞のように私は5分余りの曲にただ、見とれていたんだと思う。
この曲が鳴る空間に足を踏み入れたくてGrapevineのliveに行ったほど。場所は赤坂にあったlive house、赤坂BLITZ。あの頃は赤坂にBLITZがあって(今は横浜なんだろうけどなぁ…、この時点で隔世の感ありだ)地下鉄の駅を抜けて地上に這い出ると、目の前にある急勾配の階段を息切らして登り詰めなければならなかった。
曲が進むにつれ、目の前に幾重にも白紙が散乱する。散乱する白の向こうに澄んだ碧が見える。
1秒1秒の進みがこんなに濃く、けれど青まじりの透明に満ちて。見上げれば、軽く目眩を感じそうな。
勝手なimageを持って、曲の世界にスカタンとヤラれていたように思う。
だからか「光について」は小粒に思えた。
「スロウ」の、あの広がりは?
NACK5『Japanese Dream』で「光について」が月間Grand-Prixをとったと知った時、それはむしろ「スロウ」じゃないの?と思ったくらいに。

2007年になって。むしろ心を揺さぶるのは「光について」の歌詞の端々。
聴いた当初から歌詞の良さは感じていた。それこそ何度も引用して諳んじることも出来る。
少しはこの場所に慣れた
余計なものまで手に入れた
-----Grapevine「光について」より

この2行にinternetの海の中に浮かんでいる自分自身を見たほど。しかし此処数年で、この曲の小粒さが辛(から)いと知った。ピリリ、とくる。ものすごく、来る曲だと思った。
R○Jのレコ評で"「スロウ」の魔法がない"と言われた曲、だけど、その魔法がないからこそ肉迫するものがあると漸く、わかった。

で。
時勢の流れってのは凄いもので、1999年、「光について」「スロウ」の入った2nd album『Lifetime』(期間限定特別価格盤)が、後ろに括弧書きされているように"期間限定特別価格盤"だと1,980円という事実に軽くのめされてんですよ。
『イデアの水槽』(期間限定特別価格盤)から先、あーでもないこうでもないしてたら、えらく、ご無沙汰しまくりだったんだよ…orz
「アナザーワールド」を聴いた後がどっかり欠落してるような有様で、ホント、Grapevineさんは縁遠くなってしまってたんだわ。
同時にiTunesにもあがってきたことに驚いているのよ。うん。

GRAPEVINE 「光について」EPより「光について」(iTS)

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GRAPEVINE
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