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[2000/12/03]ゴスペラーズ坂ツアー2000@名古屋センチュリーホール

※この文章は過去、web上にあげられていたものを再録したものです。
なお、ライブレポート集のインデックスページは、此方になります。

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大長編。
私にしては珍しく詳細微細1曲ずつ徒然に書いてみようかと思います。
マジ長いよ。それではゴウ。

・「侍ゴスペラーズ」
その前のバリ"K"〜ん氏のDJ timeから思っていたことだけれど、質問。
hallはdance floorにならないんですかね?
大阪では知人が、その音に身体を揺らそうと立ったところ「座ってください」と制されたといいます。浜松ではわざとバリさん前のところで3,4人で話しながら身体を揺らして一定時間ではあるもののappealし続けてました。
なんか、もっとゴスファンって音楽偏差値高いと思うだけに(特に私が仲良くして頂いている皆様は少なくとも、そういう人が多くて私も勉強になってます)バリさん[注:彼はDJの世界でも5本指に入る凄腕DJさん。彼のDJが聴けることはそれはそれで凄いことだということ]の存在とか、他にもbandへ音の問題とか、兎も角ファンが現状を軽んじていることが怖いんですよね…
それは「告白」や「永遠に」で売れることよりも私には怖いと思うことです。
つまり、私が一番怖いと思うことは意志ある音の届き方をしているのか?につきます。
それが出来ているかどうかで、5年後10年後の活動に大きく差がついてくるんです。
辛口にここまで言うのは「repeaterが多いゴスファンの多さを鑑みている」だけに思うところなのかもしれないです。
が、本音で切り出して良い?
あの選曲で座っていられるか!?と思うんです、正直なところ。
そういうことって当然知らなきゃ出来ないし、だから表に出てこないし、そういうことも言えないのかな?と思います。
が、あの開演前のバリTIME。もっともっと皆に大事にして欲しいです、あの時間。
まあ、そう思う人もいるのだということで。
「議論反論objection」はここまで。閑話休題。
「侍〜」なんですけど、掴みとしては上手いですよねー、確かに。ご当地に出来る歌詞もあるし「俺達がゴスペラーズ」って言い切れることでアピール可能だから。
ただ、そのopeningを1年以上続けたことに関して甘えているな、と思うことがあります。

・「Unlimited」
今年、あまりにもfloorでかかりまわったSISQOの曲「THONG SONG」をbackingに据えての一曲。
guiterのloop(だと思う)を巧く使ったK.Muto氏arrangeも相当好きですが、こういう出し方の面白さ[DJ×声]というところにゴスっぽさ健在。
ちなみに、この日のマボロシ三人衆[さち・Takiさん・さんたさん]は踊り狂っておりましたな、この時点で。

・「パスワード」
エロビーム(爆笑)liveの方が圧倒的に此方に来る曲ですよね、流石に。

・「裸身」
浜松で大硬直を起こしたのが、この曲。
いや、北山さんと安岡さんのdanceは安心していられるんだよね…(溜息)
が、後ろで踊る大柄なふたりの振りが危うい(爆)ひたすら危うい。何故だ(起爆)このへんは「聴きmode」。

・「Forgive Me」
沼津では「ををう」と思った曲でした。
名古屋では、実のところ食らいついて来なかった。序盤の、この2曲に関しては点が辛いと思いますが、そう思えて。
今回のツアー、一番思ったのが「曲」の持つ食らいつく感覚とか後ろ頭を殴られるほどの感じというのにはなかなか立ち会えなかったということかもしれません。
衝撃という観点では今年1月〜2月のアカペラliveの方が圧倒的にあって、加えて「Slow Luv」も8月で聴いたからかもしれないのですが、その分だけimpactを受けなかったというのが事実で。
だからか、この2曲の印象というのは恐ろしく薄いままでいます。他の曲の印象が濃いだけに。

・「Slow Luv」
turn半回転遅れた…、冒頭のturnで黒沢さん(大起爆)
3階だと全体が丸見えなので余計に解ったのですが、この時3人硬直起こしましたね(苦笑)
もうここは酒井さんをメタメタに誉めます。凄ぇよ、って。
よくぞ年長のふたりに食らいついて、しっかと追いついたね、と素直に思います。
今年一番ファンが口にしていたのが「酒井さんが良いvocalistになった」というcommentでした。
ある人はそれを「酒井さんが化けた」と言い、またある人はその事を「存在感が増した」と言うかと思います。どれも正解だなぁ、と思います。観ていて逸らせないものを持つようになった、と思います。
「良いvocalistになったなぁ」と遠い目をしそうになった程で(苦笑)そしてその右肩上がりの成長が本当に凄かった、目が離せなかった、それだけで今年一年のゴス観戦参加意義があった程です。
常々年少組を見ながら、同級生コムビの黒沢氏、村上氏と対等に張れるか?と思っていた人だけに、その成長が見れる曲を聴いていると嬉しいものですね。

・「MIDNITE SUN」
あの伝説のband「ゴスピナーズ」で鍵盤弾いていた時の危なっかしさが嘘のようだ(大起爆)昔のネタ、しかも首都圏限定でゴメンナサイ。
手つきの妖しくないkeyboard(といってもTalking Box)裁きに恐れ入りました>酒井さん。という、この曲。
個人的には、今年8月末のノブさん≪宴≫liveの感動が!!となっておりました。ある意味、featuring村上てつや状態の曲ではあるんですけれど…。
個々を出していけるようになったという事を考えると、この曲はこの曲で正解なんでしょうね。(その黒沢版が「永遠に」ってことかい!?をい)

・「Mirror」
duet corner。今回はこの後の「月光」まで続く「北山3連発」series。V6提供曲のself coverからstart。
バリさんの出すrhythmと、guiterという組み合わせには意表をつかれつつ。

・「It should've been me (that loved you)」
この曲終了直後、3階の3人は
「また上手くなった」
「声が太くなった…」
と、三者三様に酒井さんへの感想を洩らしあいました。アタシたち北山さんへのcommentはないんかい(苦笑)
個人的には最初のライブで観た「Higher」の途中、掴んだ!と言わんばかりの強い横顔を思い出して、その時感じたものを信じたことにひとり「良かった!!」と思い、ズシリと来ていたと思います。
と同時に、酒井さんのvocal styleにちとjazzっぽさを一人で見出していて。それにKOされていたんですわ(微笑)
後半のdoodoo〜で音が上がっていくfake style。あれってもろズージャだよなあ、とぼんやり思っていて。それを酒井雄二がやることに逆に驚いているっていうのが…
drum、bass、鍵盤(piano)だけに一番露骨な生音のstyleでしょ?jazzの形態にもまた近いし。だからこそ本人たちの歌が問われるし、嘘がつけない。失敗は出来ない。
その中で見せたものに驚いてる人がここにいたということですかね。
村上さんくらいしか、jazzの毛色を感じなかっただけに見えた瞬間の驚きというのにKOされていたのかもしれません。

・「月光」
CDよりliveの方が聴ける…、と思ったのは間違いじゃなかったみたいで(苦笑)
ここで一番観ていたものって意外と舞台装置だったり、窓の動きだったりするんですけど(起爆)

・「告白」
新曲。
これをやるのを12月1日に『GI:GA』から掴んでいたので「ここでかあ」と思った、と。この曲をやるからゆえの驚きというのは少なかったですね。嬉しかったけど(をい)
特に前日からNAKC5で大量にOAされたので「あの打ち込みのrhythmを、どう生で再現するのか」と思っていました。言わせて欲しい。
live arrageの方が好きだーーーーーーーッ(絶叫)
♪この夜が〜、からの展開。あそこでのdrum pattern、音から見えた眼前がすぅっと広がる、視界の広がりを覚える感じ。
上手い!!杉野さん、良かった!!と久々に杉野さん[drum]に誉め言葉が出た瞬間でした。
「永遠に」を踏まえた上で、尚且つ今までのゴスっぽさを醸し出した作品だと、私は思います<「告白」。好きだよう、この曲。
この曲を入れたlistの方が、albumの持つ世界をより的確に表現できていると思います。

・「熱帯夜」
今回はremixの方。
最初にこのversionを披露した横浜ランドマークホールでのノブさんlive guest出演での衝撃を越えないなぁ…、これに関しては。
自分がこの件に関しては絶対に贅沢だとは思うけど(自爆)これに挑戦した意気込みは買います。
ただ元のCDの編曲よりcoolにした分だけ、歌の持つ熱が出るようになったとは思うのね。曲の持つdynamicさは減ってしまうんだけど(苦笑)

・「シークレット」
結構、このへんから曲の並びに一貫性を感じ得ないなぁ、というのが初回からの感想のひとつにあります。
曲の色がバラバラなんですよね、むしろ過去の曲を思いっきりrearrangeしてくるか?と思ったんですけどしませんね(爆)本当に。
この曲の後に「Moving」とかしたら、面白かったかもよお?とかね、思っちゃう人柄が良くないのでしょうか。
だからかもしれないんですが、次の曲への繋ぎに「村上氏のfake」を使った手法は上手い。と思います。ええ。

・「夢の外」
いや、この曲の世界をliveでこう出せるとは…。
このtourでも最大の収穫の曲、この曲と「永遠に」なんです、私には。
≪後から思ったこと≫この曲の後にrearrangeを施した「スプーン」あたり繋げても面白かったと思うんですわ、だから「曲調バラバラだから過去の曲〜」の下りになるんでせう。
ここでのband members各自のsolo、相当好きですが(でも、5本中4本ほどは崩しても、そのphaseがほぼ一緒過ぎて変化という変化が感じ切れないものだっただけに「あらまた」と思ったりした)5回観てて、あまり細かくphaseを替えてこなかったものの(をい)逆に曲に合うimageのsoloをかませた玉川さんに一票!<独断と偏見。

・「Love Machine」
出た。飛び道具(爆笑)
電飾衣装を着込んだ酒井さんが、いつも以上にメカメカしい曲です。
今年の静岡series。浜松、沼津と何気に酒井さんが大失敗した曲です。
浜松ではグラサン飛んで目が泳いだままで歌っていて、沼津は2番の歌詞を2度回すという荒業に出てました(起爆)
シカオちゃんも竹善さんも真っ青(どちらも歌詞は飛ぶ人なんだよねぇ)の内容だっただけに名古屋で真っ当なものを拝聴出来ました…、としか言えません。
3階最後列で壁danceをしていたのを、どうも誰かさんたちに見られていたようでしてねえ…(苦笑)ま、いいんですけど。

・「One more day」
生々しくなったなぁ…(起爆)と思う曲。<思うな自分。
この曲、歌詞を今の形にする前の「アカペラ人」versionがめちゃくちゃ好きで。だからこそ今の歌詞が苦手だったりするのかもしれません。
振り返ってみると本編唯一のアカペラ曲。アカペラがこれほどなくてもstageが出来るのですね…

・「永遠に」
やっと納得の行く「うた」に出会えました。
最初の焼津公演で聴いた時、正直心に残るものがないから嫌いだった曲が「永遠に」で。浜松でも「編曲で聴かせ勝った」と言い切った曲、沼津では「ある意味、演出効果で泣かせますか?」という毒吐き最大手という曲だったのですが…
「うた」で来ましたね、本当に。
一度、大きくbreakが入ってから黒沢さんが「あなたと」と独唱してから後の「風になって/全てを包んであげたい」の「いーーーーー」という箇所。
実はここなんです、ここでの村上さんの声の伸びがエラい良かった。浜松では苦しそうだった声の出方が嘘のように。だからこそ、ハモりがバチっと決まってキチっと音が共鳴するというのか、今まで以上にバッチリ音が鳴っていたと思うんです。
それを聴いてしまって「どうしよう」となってしまったという…
そうなることで生まれるものって実際あって、実は別のliveの話になるんですが…。長くなるものの、お付き合いください>皆様

1999 年12月24日の「Saltish Night」での五島良子さんの「Blue Bird」という曲でのことなんですが後半、ですね。fakeで高音に飛んだのを追う形で5弦(Strings)が入るという編曲の箇所だったんですけれど、その時、声と弦の鳴りが塊の如く此方に押し寄せてきて。
未だにradioのaircheck(radio放送されたので録音しました、何気に現 S.O.S.のTAKEさん参加のliveでした★)を聴くと「参りました」って涙が出るんですけれど、まさにその状態。
音で心に触れる、というんでしょうかね、あれは。かき乱すというのでせうか。
でも「心に届く」時に要因として「キチンと音にする」という技術面は必要で。で、その上で気持ちを乗せていけるか?ということも出てくるのだと思うんです。
それを、歌ってみると難しい「永遠に」という曲で出来た事に驚いたんです。しかも、聴かせどころで出してみせたことに。

言葉が悪いけど、視覚効果、演出効果で泣かせる事は出来なくはない。と思います。
「アカペラ門」の「One more day」に泣いた理由は歌い終えたのと同時に雪が舞い出して、ドォオンと音響が鳴った演出効果も理由の一端にあると思うから。だから私はゴスペラーズに泣かされたというよりも「小池竹見に泣かされた」「演出効果で持っていった」と悪態を吐くんです(でも、過去のアカペラの中でも1、2を争うほど好きな一本ですよ、本当に。誤解なきよう>皆様)。
更に「雪の仕掛け、またするんじゃないわよッ(最初のアカペラlive「アカペラ貴族」のstage、encoreの「今日が終わる前に」で雪の仕掛けをやっているんです彼ら)」と言うのも、だからなんです。
ゴスペラーズっていうgroupは己の見せ方が巧みだ…、と常々思っていて。だから視覚効果は常に及第点の成績は上げる事が出来るんです。それは演出家が後ろにいるから。
見せる形というもののprofessionalがいるからだと思ってます。
でもさぁ、それ抜きでも「泣かせる」ことは出来るよ、と私は思うんです。
ゴスの音楽って強いと思う、だから出来るんじゃないのかな?自分たちで思うように動く事でも、魅了する事は幾らでも出来るんじゃないのかしら。
だから暴言じゃないにしろ「小池さんの演出のないゴスのstageが観たくなるのよね」と言い出すのだと思います(自爆)
その「演出抜きで」が出来る、と思った曲が、名古屋での「永遠に」だった、ということです。
「うた」の持つ力、出せる技術があがった事を痛感しつつ、言葉が出ないくらいダメになってしまった曲でした。

それと、答え。
「hall後ろまでお客なんですよね」という最大の皮肉。
去年のtourで痛感したのが、後ろで観ていて音が届かない。
何も響かない。
向かってくるものが見えない。
それに腹を立てて失望して呆れて落胆して憤慨して。
正直、だから「観たいと思わない」と言い切っただけに「どうなんだ?」という疑問は、静岡seriesを終えた後もまだ残っていました。
「hallの後ろの客になれるかもしれない、今日の彼らなら」という答えを弾き出したのが「永遠に」名古屋versionだったということでせう。

要するに(苦笑)
今年は静岡series(注釈:@五鍵では静岡でhitした)じゃなくて、自分の中で手応えを掴んだliveが名古屋に来ちゃった、と思ったんです。
3階席最後列にいるにもかかわらずカナケン@五鍵より音の良すぎるPAとか(爆)に始まり、各自の声の調子だったり(はっきり言えば黒沢さんの調子は良くなかったと思うけれど、村上さんが恐ろしく絶好調でそれに引っ張られて調子を上げたと思う)気持ちの持ちようだったり。
付け加えるなら「演出」として観せよう、こうしよう、という事がだいぶ頭ですることではなく身体判断に移っていったからかもしれない。余りの要素、遊びの要素が終盤だからか、こう前に出てきたと思います。
凄く楽しそうだったんです、遠目での判断で音からの推察ですが。
後ろも後ろ、だから逆に「ええもんねー、楽しむからねーん」と楽しむだけ楽しむ事に徹した(ex.「告白」であっさりご起立の上、踊り切る)というのも作用しているのかもしれないんですけどね…、あの3人だと(苦笑)
あの「無条件にこの街が好きだ」から一挙に「村上讃歌」状態に陥った沼津から1ヶ月ちょうどで、これだけのものが観れるとは…、ね。

■songlist

Wild Wild West[intro.]
01.〜侍ゴスペラーズ
02.Unlimited
03.パスワード
04.裸身
05.Forgive Me
06.Slow Luv
07.MIDNITE SUN
08.Mirror[北山・安岡]
09.It should've been me (that loved you)[北山・酒井]
10.月光
11.告白[new song]
12.熱帯夜[remix version]
13.シークレット
14.夢の外[including bandmember solo]
15.Love Machine
16.One more day[a cappella]
17.永遠に
----------------------------------
EN-1.あたらしい世界
EN-2.〜U'll Be Mine
EN-3.FIVE KEYS[including「靴は履いたまま」]
EN-4.ひとり[a cappella]

今回、掲載した写真は、2000年12月3日、来た証拠として撮影したもの。です。

この頃までは周囲に行く日を告げておりましたが(それはネット上に置いても同じ)、この時、周囲に告げず、この時は一部面々で結託、名古屋にどろんと現れてみたのでございました。
それを称して「マボロシ」と(笑)今は、ねえ(溜息)事後報告ですもの。


今回は特別に、上記文章を読む際のサブテキストとして最適かと判断し、当時の日記を採録しておきます。
2000年12月4日、このライブの翌日に書かれたものです。

この声は君に何を届けるかな  胸の中 暖かな僕の現身になって伝わればいい
(♪吉田 直樹「声」)


届いた。3階席の後ろの後ろまで。

幻になろっか?そう、さんた嬢を誘ったのはゴスペラーズ@仙台公演の夜。
寄り道した自由ヶ丘で立ち寄ったパスタ屋で注文を待つ間、打電した携帯メールから。
思えば「徒党組んで3人で」となった名古屋の幻は、私のひと言が発端で全てが始まったんだ(思い出し笑い)
takeuchi webenetの打ち合わせしない?名古屋で(爆)」
今から思えば、突拍子もない言葉だわ(自爆)
そして仙台の幻だったTakiさんと横浜で落ち合い、駅地下のライオンでお酒を飲みつつ「行かない?SMOOTH ACEが名古屋駅前で歌うのも観てさ♪」と言い出していて。
「ぷらっと使ってさ」
「日帰り出来るよ、調べたもん。大阪がアカンけど。大阪の新幹線は東京最終で20時だから。名古屋ならまだ21時になっても出るんだよね」
「日曜日だし」
と話をしていたところ、途中から「新幹線時刻表」「ぷらっとこだま時刻表」の2冊が手元から出てきて(爆笑)それを操りつつ何とはなく話は本格化してきて。
日曜日には「じゃ3人で」
そのうちに
「チケット押えました」
「3階席、最後列の村安ってところかな」
「ぷらっと押えますか?」
「じゃ、お願いできます?」
「何時に名古屋駅到着です」
「某駅改札に○時」
etc.といった内容が携帯メールで流れに流れる…、その間中。
周囲の皆様を驚かせる、というのはありつつも。席が最後列と判った今、今回のゴスのツアー中最大のハコ(3000人)3階最後列で観ることも今回の名古屋行きの目的として出てくるわけで。普段、前の方で観慣れた彼らを後ろでどう思うか?音として純粋に楽しめるか、感じれるのか。後ろの後ろでも「ゴスって良いね」と思えるのか。
「一番後ろも最後列だから今日のアタシは楽観視」「お手並み拝見だね」と言いながら、僅かに私の頭の中ではそんなことがあったかもしれない。
更にこの3人、ゴスの出す音にはうるさい。
その日の声のコンディションにも口は出るし、バンドの音にも「こう思った」と言い切る気質がある。
PAという技術の面でも、他を観ている数だけ少しは口に出来る素養がある3人が居並んでいて(苦笑)それは音から見える彼らの心の姿勢、というのもあるんだろうけれど「音」として純然と聴き分けるということでも手厳しいところがある3人だから「ま、お手並み拝見といきませう」。の筈、だったんだけど…
DJバリ"K"〜ん氏の手元まで見える場所だった途端、踊らずにいられないわッ!!!!!
かくして「謎に踊る3階席最後尾の客3名」となってしまったわけで。そのままライブに雪崩込んだ、そういうわけです。

結論から言うと「うた」という面では、先月以上。先月は越えてる。
それ以上に3人が序盤で口を揃えたのが「音が…、良くない?ちょっと」「ん、音がちゃんとしてる…」というホールの音響の良さだった。3階で残響が残らない。相当クリアに届いている事に驚いた。
ゴスのPAを初めて褒めたかもしれない(自爆)
あと「仙台の前くらいから風邪でね…、ちょっと調子を落としてると思う」という不安は払拭されていたことは報告しないとならないかも。だからか年長組、良い意味で「うた」の鍔迫り合いをしていたと思う。
それにも増して存在感を増した酒井さんにホレボレしていたんだけどさ(苦笑)
しっかし。この3人って凄かった…
一緒に観ていて何より気疲れしない。時折は短いコメントを洩らし合うけど、曲の途中に言い出す事はしない。聴き終えて、曲と曲の10秒ほどでサクサクと言い合う。
そしてステージを観ていて「振りが遅れた…」と硬直したのが同時だとか(爆)何よりMCのツボ感度が近いのでツボる箇所が近い。
恐らく3階席にいながらにして瞬速で「竹内睦雄氏、『LOVE LOVE あいしてる』リハ時何気に長瀬くん(TOKIO)役だった事件」に敏感に反応してたんじゃないのだろうか。
なにせ「クイズタイムショック」の宣伝で安岡氏が「クイズターイムショーーック」とやった時に、3人とも「ショーーーック」って一緒にやってるんですよ(爆笑)
あの「ズームイン」の振りまでしてキメをやってるんです、「あたぼう」とばかりに(爆)
そして、踊りが一糸乱れないんだ、これが(爆笑)
歌いながら、音を手で取ったりするとか、そういう細かい箇所?もやっているんだね…、お互い。結構「自分だけ?」と思っていただけに。あとジャンプのタイミングとか。しっかりキメ場所はキメてます、ここは。とばかりに。
しかし中でも特筆すべきは某曲[飛び道具]Bメロで起こるダンスを3階最後列で3人揃って踊り出し、どうも目に付いたのか終演後「ねえ、安岡さん見てた…」「てつ、見てるわアレ。なんか視線が来た気が…」となったことでせうか。
…、大阪が楽しみだけど(意味深)

本編終盤は、はっきり言って「良いッ」の連続で。でも、やっぱり本編最後の曲になるんだろうな…、話題は。
その曲が「こういうことを言っているんだ」と気付いて不覚にも泣きそうになったのが沼津公演での私だったんですが。この日は、そういうものを抜きにして言いたい。
やっと聞き手が納得の行く曲として、「うた」として此方に届いて来て、曲が終わった直後「ダメだった」と言っていた。
「泣きそうになって自分がダメになりそうだった」ほど、という賛辞として。
CDで聴いた時以上のものが欲しい、それがライブの醍醐味だから、それが出来なかったらCDで良いんだもの。
それは私が常々口にする言葉。
「悔しいけど良いなぁ…」と思えて。
「好きだなぁ…」、そう思えて。
「良いうた、ありがとう」
まさか、それを1階席の前ならまだしも、遠くて遠い3階最後列で観れるなんて思わなかった。こうして歌詞を口ずさもうとして、そんなことしたら泣きそうだ。そうなりそうな程、こんなに、この曲が届くものになって迫ること。出来なかったのに、あの頃は。ふと「あの頃」を思い出す。
この曲が彼らの近くに立っていようと1mmも心に届かなかった、あの日を。


3階席、一番後ろも後ろ。
届くようになったんだ、3000人のホールの一番後ろまで。


「この声は君に何を届けるかな」
昨日のライブを思い出して、そしたら「この声は」というフレーズを思い出して。吉田直樹くんの「声」という曲を選んでいました。
そんな「幻」3人衆。
なにせ、この3人の帰り際の言葉ってのが
「幻、帰りますッ。イエーーーーーーイ」
「じゃああねええええ」(爆笑)
しかも言い放ちつつ脱兎の如く駆け抜けていますからね(大爆笑)幻というよりも嵐?嵐だと流石に5人、人数必要だからなぁ(自爆)
今日になって思ったのが
「あのテンションの高さ、YOU THE ROCK★か?お前は状態だったな、昨日は…」
余談ですが、あの3人。誰もお酒、飲んでおりません。飲んでないってば、ホント。
兎角テンション高かったけど(苦笑)

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