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Be as One(2006)

Let's dance We are livin' for the beat????

♪だ〜らけったッ というフレーズが思わず口をつく。何故でしょね。
無性にSing Like Talking(SLT)「Livin' fot the beat」を唱いたくなったのは、ヤツらが出してこなかっただろうファンク寄りの引き出し。こやつに今回、手をかけたかな。
ニタリ、そう思ったから。
さもなくば。同じくSLTでも「風に抱かれて」のホーン隊のブリブリな音圧、あれを思い出したから。
んなことを思ったのは『Be as One』もM-11「SAYONARA」を聴いて、なんだけども。
あー、でも一歩間違えたら「Together」なんだろうけど「SAYONARA」正直あそこまで音圧アゲアゲ、ホーン隊ブリブリじゃあないしなぁー…(ライブ映像が動画サイトにあがっているけども、こういう http://www.youtube.com/watch?v=8hgZxUdWm1s のですぜ。この時のバックボーカルが露崎春女嬢であーる)

たたみかける疾走感でM-4「残照」に到達するまでの3曲を息巻いた『FRENZY』とは違う。
かといって、クルリと頭とエンドとが繋がるような印象を受けた-----それはまるで「うたたね」で始まって「Such a Lovely Place」で終わった『Such a Lovely Place』[槇原敬之]のようで、とひとり勝手に喩えた-----、あんなふうだ、と。静かに「Right on,Babe」で始まって「街角-on the corner-」で終える、そしてクルリと「Right on,Babe」に戻ってゆける『Dressed to the Nines』とも、また違う。
なんというか、真っ向。真っ向勝負で真っ当。そう思えた、感じたことに驚く(苦笑)

「Platinum Kiss」といったsg.曲も多く収録されたアルバムだが、収録されたsg.曲とそれ以外との落差が感じられないことが嬉しい。むしろ、それ以外の曲での気の張りようが有難い。
そして、曲順もかなり練って、こだわりにこだわって、この順番にした?と勘ぐりたくなるのだが、どうなのだろう?事前情報(雑誌、ラジオにテレビと)を全然入れていないので浦島全開で?をつけて書いてしまう体たらくなのだが。
曲の終わりがハッキリした、フェードアウトしない曲が多いからだろう。それを巧みに使っているな、という印象を受ける。バッサリ曲を切られることで、前の曲の印象を時には切り捨てられて、次の曲にゆけるのだ。
そうした上で大きく前半、後半(※これは"reprise"で置かれた曲が楔となって前と後とを分けたように思う)、その中にも前半、後半とパートをわけて聴き手をダラけさせない作りにした。
これは『FRENZY』とも違う、選曲の勝利。

個人的にはM-9「Let it go」からM-11「SAYONARA」の基軸に、前述にあるようにSLT1990年代さしかかり時期(3rd〜4th)のファンク寄りな流れを思い起こさせるには十分。
ここでSLTのファンク路線てのを軽く触れておくと、Rod Antoon氏と組んだことで前に押し出された路線であるといえる(もともとファンクっぽいのもブラコンなのもなくはないよー、というのが初期SLTの特性だった)。
して、RodとSLTの連携は(3rd)『III』から(6th)『ENCOUNTER』の4枚のアルバムに集約される。
その後、SLTは13CATSのCat Grayと手を組み、(7th)『togetherness』を叩き出して…という流れになるのだが、その流れから出てくるsg.が「together」であり「風に抱かれて」。

SLT『III』から『ENCOUNTER』に繋がる以前にRodと手を組んだ日本人artistとのお仕事といえば、そらぁーあーた、久保田利伸『Such A Funky Thang!』(1988)だったり、中山美穂「人魚姫」(1988)になるわけですよ。
『Be as One』が出る前、2004年に『SOUL TREE〜a musical tribute to toshinobu kubota〜』でゴスペラーズはナニワエキスプレスと「Dance If You Want It」で共演している。その「Dance If You Want It」が1曲目に収められたのが『Such A Funky Thang!』であり、このアルバムからだろう、音楽を語る際に"funk""funky"という言葉が出てくるようになる。
ただSLTの場合、久保田ほどのファンク路線にはならなかった。久保田ほどファンクファンクしなかった、というべきか。「Livin' for the beat」は兎も角、その後「La La La」「Hold On」「With You」「Rise」…とザックリsg.曲を並べてみたが(それもSLTの代表曲だろう楽曲!)アフリカンテイストだったり(「La La La」)'80年代ディスコ調だったり(「Rise」)でファンクっぽさは薄い。
ゴスペラーズがやるファンクは他の音楽もあれこれ手をかけた上「ファンクもあるよ」という打ち出し方だと思う。それを考えると、久保田「Dance If You Want It」から引っ張るよりも、SLTファンク路線楽曲っぷりのほうが、自分としては、しっくり来るのだ。

なるほど、ゴスペラーズにファンクの脈があったか。
ファンクという鉱脈を「Dance If You Want It」で見つけて、そこから「Let it go」なり「SAYONARA」なりに昇華できたのなら、これは良いフィードバックだ。そう思ったらニヤリ、しますって。

そうやってニヤリとする自分がいるのだが、「SAYONARA」で「風に抱かれて」「Together」と(7th)『togetherness』収録楽曲が出てくるあたりは、曲へのホーン隊の有無から出るところに起因するかと思われる。
その一方でM-1「Street Corner Symphony」からM-2「一筋の軌跡」の夏!的流れで思い出すは山下達郎『FOR YOU』なのだ。どうしてなんだ(自爆)
決して頭から、あの有名なギターのカッティングが入る「Sparkle」じゃないってのにー!(ムキー)

あと「熱帯夜」の代わりに「狂詩曲」がライブでガツンガツンくるようになったら、ライブの最中、嬉しさに笑いながら踊り狂うこと間違いない。だーーってさあ、これは踊れ!と言われてるような曲じゃないのよ。この手の楽曲の打ち出し方こそゴスペラーズの独自性、と私は見る。
そして、M-9「Let it go」のスムースなサビ展開に掛け合い、エラく好物。それでも評の殆どが「SAYONARA」なんだけどもな!(ヤケ)
それでも重箱の隅をつつくならば。
『Love Notes』ばりにボトム隊に人力を使わないのな!(毒)
人の叩くドラムとか使いませんかね?ゴスペラーズさんよ。

☆☆☆☆☆

尚、今回は、以下の自分の文章をリライトの材料にし、実に大胆に(笑)加筆しました。ご静読感謝。
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reviewカテゴリ作りました

"about"に片足入っていて、"monologue"にしときたい感じで書きたいのですが、要するに「monologueに入れていると、どこにアルバム評、シングル評入れてるかわからなくなる」のが全ての要因です(つまり当初の予想の見当違いである)。
てなわけで半ば自分用です、"review"カテゴリ作りました。

先ずは本家("traces"なるblogサイトがもともとの始まり故、こう呼ぶ)『Be As One』のレビューをスライド+リライトしとこうか。

ということで宜しく。

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