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[2001/08/26]ゴスペラーズ坂ツアー2001 -凱旋門-@宮城県民会館

※この文章は2001年8月にweb上にあげられていたものを再録したものです。
なお、ライブレポート集のインデックスページは、此方になります。
ちなみに当時のページは現時点でも存在します(此方参照)。

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開場時間1時間ほど前に会場の前に行くと、「グッズ先行発売16時15分から」の貼り紙を見つける。
「中に入れなくともグッズは買えるね」
「カナケン方式だ、良かったね」
という会話を交わしたのは、一緒にいた知り合いがチケット払込時の手違い+一般発売惨敗で凱旋門不参加決定ながら、私たちふたりに付き合う形で会場前に向かわせていたから、に他ならない。
3人無事にパンフレットを購入すると、近くの喫茶店に飛び込み「まずは」と全員で一覧作業に入る。…、何故固まったのでしょう(起爆)
因みにもーーーーっと固まる発言をして(「ある写真の某氏は某ミュージシャンのアー写に似ている」と看破したため)連れ立ったこの方が「あがッ」と叫んだが最後、数秒固めたのは私です。

会場前は入場者の長蛇の列、の中、人がだいぶ入ってから会場に足を踏み入れる。一階17列とは聞いていたが、なにぶん今月の私、観ているライブの中でいちばん後ろが、この日の「一階17列」なんである。
非常に贅沢で、かつ個人的過ぎる話をすると、今月。山崎まさよし初日がホール11列目@松戸森のホール21、坂本教授+モレレンバウム夫妻を初日も1列目で、esq三谷さんをSTB139の10メートル圏内、全部イベンター経由で押さえていたんで、ね。そしたら最後、FC[ゴスマニア]経由で押さえたゴスペラーズが一階17列、これが今月観ているモノの中でいちばん後ろ…(汗)というウソのような話になるんである。
ホールの前半分、最後列という場所。かなり観易い。
2階があるセット…、は、「アカペラ貴族」のようだけど骨組みだけの「〜貴族」に比べて、今回は流石に金がかけられるようになったのね<汚い人だな(起爆)出入りは「坂ツアー2000」の方式[注釈:この時は舞台中央に大きな窓のセットがあって、そこから退場していった]かなぁ、と隠居老人のような思考回路をボヤボヤとさせていたりする。
開演時間を10分近く押して。バンドメンバーが登場。全員が白い衣装で、ともすれば「坂ツアー2000」の白のスーツのようだ…、と思っていたら。
をい。赤ですか(爆)>メンバー様
それこそジャニじゃないですか、後ろのある(要するに燕尾があるってことね)スーツって…。
先に凱旋門通過者に状況を訊くと必ず出た「い、衣装ね…。観て(爆)」の一言で此方の不安を「ネタバレできないし」を込みで沈黙を守ることでバッサバサに薙ぎ倒していった理由が、この日、よぉおおおおおおく解ったよ…。
確かにスーツで衝撃なんざ思い出してみたら「衣食住」当時の「福生で作った」とMCで洩らした青スーツだの、直後の学園祭10連発での赤スーツだのあったもん…、「坂ツアー2000」の白スーツにロングコートで最初にステージに飛び出した北山さんに思いっきり「…シ、…シカオちゃん?(冷汗)」と思った人だよ、私は。私はそういう人だよ、ちょうど当時観た「Mutoma Japan」での「スガシカオの恋愛講座」の白衣を思い出して、思いっきり「…、シカオちゃん?」と平気で言い出すよ、私は(ヤケ)
だけど後ろがなかったもん、今までのスーツ。
そのスーツじゃジャニだよ、ジャニ。
「Hanako」にあったけど「Jの道は厳しく険しいんだよ」(意味不明)
そりゃ衝撃だよなあ…、と思っていたら、バンドは何も演奏の用意をしない。アカペラだ、と思ったら演る曲が何か、私には判ってしまった。いや、以前から口にしていた曲のタイトルだったから。
「新しいファンが激増した今、「ひとり」か「永遠に」で始めないと残りの曲をお客が受け入れられないと思う」から、演るだろうと思った、曲。それは去年12月に観た中野サンプラザで私が場内の空気に見てしまったモノを払拭するには、この手段じゃないの?と思っていたこと。ヒット曲が生んだ、ひとつの弊害。
「この曲を聴くまで」「この曲が聴きたいから」状態の一般席と「ゴスペラーズが好き」というFC優先予約の席との反応が大きく割れた、恐らくステージの上も中野故に緊張していたと思うけれど、それ以上に、あの日の場内に見えないながらに流れてた「「永遠に」を聴くまでは、場内の前の熱と馴染めない」というもの。そこまで、この当時は配慮が回らなかったこと。
だから「本当に売れてしまった今、逆に強い切り札(曲)は先に出してしまえばいいんだ」と口にしていた。先に出してしまって満足させてしまえばいいんだ。
その通りに、村上さんの第一声。その伸びやかな声が、ホールに広がる。この声なら、と思う。この人は、この人の喉の調子は大丈夫だ。こんなこと思ったのは、いったい何時以来だろう?
もうひとつ、「坂ツアー2000」で終えた曲で、また始める。そのことに「終わりは始まり」という思いを新たに、する。

次に歌われた曲は「永遠に」、そして「ひとり」の前まで「ゴスペラーズって、この曲を歌っていたんだよ」と口にしていたタイトルの曲。この曲をシングルカットしないことに「何故?これをシングルに出したら認知されると思うのに」と、当時のファンは必ずという程に口にした曲「靴は履いたまま」。
もう、この時には年少組の振りで踊っていました(苦笑)そんなもんです。思ったよりも手拍子が響く場内、そしてサビで出る振りが出てこない、前の方ほどその揺れない手の動き(手拍子が響く)に「ああ、初めての人が多いんだろうな…」の思いを新たにする。
…、スイマセン。気づけば彼らを観て…、1996年7月以来です。かれこれ通算32本目でした(自爆)申し訳ない。
続いて、曲を聴くだけでスタジアムの芝生の緑が広がってきそうな「Free Space」。冒頭のハモり、ガタガタでしたね。マジで崩れてませんでした?(起爆)他の曲で然程、アラがなかっただけに余計に気になったんですけど。

「Free Space」が終わって、メンバーの挨拶。
をい、と突っ込んだのは「何故生年月日に年齢、星座に出身地まで言うの?」(爆)と思ったから。だってここ、集団合コンの現場じゃないんですけど(大起爆)と思った人が、ここにいました。
ともあれ久しぶりに仙台は満員だということ。なにせ前回のツアー「2階席の半分くらいまでかな、埋まったの」というのが仙台公演だったのだから、だから今年「仙台に行く」と決めたんですけど(自爆)以前から知り合いもいるし、一度は行った街だったしで「仙台は行きたい」って思っていたし。
静岡に、ゴスペラーズのツアーに併せて2年連続で帰省したのは、別に首都圏ではもう観れないだろう「前の席」「まだ良い」位置で観たいから…、というよりも「静岡は席が余るし、新幹線で動ける、実家もある、ゴスを知る(洗脳済みの)友達もいるからプチ同窓会を兼ねてライブを観ようと誘うことが出来る」だから、静岡の公演を観に行くことにしていたんです。
「席が余る」というのは、それだけ観る人がいないわけです。私は地方に住んでいて(といっても静岡ですし、浜松市内でしたが)地元で観れなかったことが実際にあるので、「その街に自分が好きなアーチストが来る!!」というのは本当に嬉しいというのも知っているんです。
それを虱潰しにツアーを観てしまうことで、もしかしたら他人の席を奪っているのなら、そんなことで他人の機会を壊すのなら、しないように努力するんです。
全会場完売と聞いて「潰したところがあるなぁ…、今回やっちゃったなあ…」と思ったくらいだったんですが。それくらい仙台公演を楽観していたんだと、思うんです。侮るな、テレビの影響力。でした(苦笑)
話を戻すと、その地元の誰かが観ないが為に空いた席は「私が座っても良いだろう」と思っていて。これが満員だと、地元で観たい人間の権利を奪うようで地元の人に悪いという気持ちも働くんです。
満員のお客が観ているから、それが良いライブだとも限らないと思っています。彼らのライブで満員の場内に飲まれて終わったものを観たことが、私にはあって。逆に客が少なかったからかもしれない、客の質が高かったからかもしれない、ここが満員じゃないのが嘘のようなライブを観たこともあります。全ては音楽を楽しむという姿勢のある、自分の周囲にいるファン、本当にお客次第なんですね(苦笑)
酒井さんは去年の名古屋センチュリーホールよろしく2階、3階の客に声をかけて酒井的擬音語(現場にいる人はわかるかもしれぬ)で「おう」「よう」「にゃろッ」と押収するし、黒沢さんに至っては最年長とは思えぬ軽さで「どもクロサワです」でスタートしてくれて此方の腰を砕いてくれるし…。
安岡さんの石巻行きの話+雲丹食べました話に「やっぱり雲丹…<彼は去年の沼津公演でも雲丹星人だったことを暴露されている」(号泣)

「懐かしい人には、懐かしい」という安岡さんの前振りで「…、予知ってんよぉ」状態になってしまって。当日未明にミヤギテレビで放映されていたので寝転んで観ていた、今年7月21日・愛知県豊田市で行われた「豊田SOUND BREEZE2001」のライブでの「『Love Notes』メドレー、聴いて頂きましたー」の前振りは、それと全く同じじゃないのさッ(爆)
愛知まで観に行く東北の人間は流石に遠すぎていないと思うわよ(いるかもしれないけどね、とも思うが)でも、移動してきている人間はいるには…。いるんだな、これが(自爆)良くないかもしれないが豊田観てて、凱旋門観てるのはいるんだってば(汗)圧倒的に数は少ないけど。
だから構わないんだけど
「あのまま「凱旋門」でスライドするかもしれない…」
問題は、豊田ライブ直後に私は呟いていたんですが、そんなこと、一介のファンに読まれてどうするんですか(苦笑)ってことですよ。
この時の「t.4.2.」で、黒沢さんの「♪夜が近づく〜〜〜」が随分辛そうで…、声が出ないというのかマイクの相性が悪いというのか…。
うーむ…

そのまま前置きなしにスタートしたのが「約束の季節」に「Wanderers」の新曲と、そのc/w曲。「その2曲はやっだろ」と睨んだ2曲を披露した後は、酒井さんと北山さんという「ふたり揃ったらメカに詳しすぎるんじゃないっすか?」と思しきふたりによる「ゴスペラーズ、もうひとつのオフィシャルページ始めました」なるMCに突入。
工事中のページが自分たちのページで「オープンしました、(店に行って)婦人服売場に行ったら工事中でしたッ」by酒井さん、の表現の的確さは、…良いよ。恐らくチャットソフトの設定を「インターネットに接続したことをメンバー全員に通知する」という設定にしただけなんだと思うんだけど(このライブ後、「ICQとかIP MessengerとかMSN Messenger Serviceとか、んなのだろッ使ってるの」とまで出る始末…、スイマセン、あの話だとそれくらいの展開が読めます)で、ネットに入ったのがバレた話をする北山さんに
「そうなるといかがわしいホームページなんて見れませんねぇ」
あの…。
相手、誰か解ってるんですよね?(苦笑)>酒井さん
「なんかもう、欲望丸出しーーーぃッ」
…、そこまで走られると、もう突っ込みようがありませんて(起爆)
ともあれ若手芸人真っ青<褒め言葉です。の話術披露の後には、若手芸人には出来ないだろう、ミュージシャンだからこそ素敵な音楽。てことでキーボードの真里さんとギターの玉川さんとゴスとで「NO MORE TEARS」。
私は1997年8月のツアー「坂道発進」不参加なので(初見は1996年7月・夏の陣という人だが、アルバムを提げた彼らのツアーを観た最初は1998年「衣食住」、アカペラライブはツアー単位で見ると皆勤賞継続中、という自称「非常に稀な経歴の人」である(自爆))もしかしたら、清泉女子大学の学園祭ライブ以来か、ともすれば初めてかもしれない。

次の曲に入る前に、今度は村上さん+黒沢さん+安岡さんの「先ほど話に絡まなかった」3人での会話に。
「なんか満員のお客さんってのは嬉しいね」と、冒頭出た満員トークを蒸し返す黒沢さんに、突っかかるのはやっぱりリーダー・村上さん。
ところが途中で「赤は欲求不満の色だったんだ」と、先ほどの酒井さんの発言を引っ張り出したところ、石巻で石ノ森章太郎記念館に行った安岡さん「ロボコンだって赤いんですから」
ロ、ロボコン?
因みにロボコンと言われるとワタクシ、PLUS ONE[小田和正+佐藤竹善のユニット、曲は「クリスマスが過ぎても」しかない(爆)]のPVを思い出します。確か、苗場スキー場です、真っ赤なスキーウェアで雪の中で全開の笑顔をするSLT・佐藤氏を思い出します。余りの丸さに武道館のライブで大スクリーンにPVを流して、サビを流して彼が自虐ネタに言った言葉が「ロボコン竹善」(起爆)
以来、私の脳裏にはロボコンの用例の中に「佐藤竹善」というのが出てくるようになっているっちゅーに(爆)
嗚呼。どぉーーーーなってんだよぉおお、SLTはッ(絶叫)<8月29日にシングル「魔力」が出ます。来月アルバム出ます。今年12月下旬からツアーです。

しかし「赤のスーツなんて少年隊〜♪(<やっぱりジャニだったんだ…、の思いを新たにする)」となったことから、一転。この3人による、若干お手軽版「君だけに」に突入してしまうじゃないのさ。ところが村上さんが続けようとしたところ、安岡さんが「♪Only you〜〜〜」と終わらせてしまったところ、村上さん「この後歌おうと思ったのに」とモニターに当り散らしたところ、今度は「あ、スニーカー汚れちゃった…」
これには黒沢さんが「てっちゃん、ダメじゃないのさー、白のスニーカー黒くしちゃあ」
ともあれ脱線するだけ脱線して、判ったことは「北山さんがいちばんダメ出しする」「北山さんが(言うのが)苦手なのはc/w[カップリング]という言葉」とオチが一応ついたところで、「永遠に」「ひとり」の間に出たシングル「告白」。
大好きな曲だけに、どぉも点が辛いんですよね(苦笑)
1 番はアレでいいと思う、私が辛いのは2番の編曲なんですよ。
折角、真里さんがブレイクを入れつつというピアノ伴奏をするなら、ちょっと思い切ってブレイク過多なまでのアレンジに持ち込んでよかったかもしれない。そうしても面白かったんじゃないのかな?と思う。伴奏に近いピアノ弾きというよりも、かなりパーカッシブなピアノで、とでも言うのかな…。
逆にギターを出すか、声の印象を前に出すかしないと1番で見せた色の違いって、CD程出てこないような、そういう気がして。
その後の「♪この夜が〜〜〜」以降が良かっただけに、余計、そんなことをひとりで思ってて。

アコースティックから一転。「夢の外」に入ると、キーボード→ギターの順でソロが。
今回の真里さんのキーボード・ソロ、もしかしたら私、今まで観た中でいちばん好きかもしれない…。今までの中でガップリ四つに組んだ、というのか、本当に勝負している気概がビシバシ届く、そういうアグレッシブなソロになっていて「豊田で印象が薄かった。と思ったのは、あれは一体何だったんだろう…」
マボロシをした名古屋、「告白」〜「熱帯夜」〜「夢の外」というのが、本当に好きだったんですが今回、順序が入れ替わって「告白」〜「夢の外」で「熱帯夜」。
「FIVE KEYS[五鍵と略させてください]」オープニングの、逆光の中を思い出す。
あそこから踏み出して、そうして。しかし、ベースのうねりが良いッと思える「熱帯夜」CDバージョンも初めてだったわ(爆)ここに来て須藤さん効果、バッチリ見えてきたし出てきたぞう♪
ツアー前「この曲でそろそろヘドバンかましたいよーーう」と禁断症状を訴えた曲こそ「FIVE KEYS」。
残念ながら「坂ツアー2000」でのアレンジで、CDアレンジではなかったし、CDにはあった村上さんの口上も、そして、その瞬間を狙って気合の入る「カモン、ジャンプ」はなかったものの、「ヘイヘイ」のところで煽るのを観ていたら最後、サンダルを脱いだ(大爆笑)
こんなことするの、五鍵・一部では伝説扱い入りかけている(苦笑)沼津公演以来だよ?そして、そのまま「なりきりゴスペラーズ」に突入。
更に「なりきり」は続いて、1公演で2曲って珍しいと思う。今度は「愛の歌」。
「衣食住」じゃーーーん、1番と2番の間にある「デュゥウワデュゥウワデュゥウワ、パウン!!」のところは当然ジャンプですよッ(笑)「衣食住」当時、全員がいっぱいに歌っていたリードボーカルが、そして、安岡さんのフェイクパートにしても、こんなに余裕を持って届くように、なっていたんだね…(回想)
てことは「豊田よろしく」となると、次にやる曲、最後にやる曲、読めてしまうんだけど…(爆)

で、その豊田よろしく「東京スヰート」に。
イベントライブをツアー予行演習に使うって読みはしていたけれど(苦笑)、その通りとはね…
それはさておき。実は豊田のコンサートで「必要がないと思ったのは「東京スヰート」だと思う」と、ライブの感想を訊かれる度に言い切っていたりしてました。本当に。豊田イベントの曲順でアップテンポだと思われるのは明らかに「愛の歌」だけで、一旦盛り上げた!!と思ったら、その直後にバラード、バラード…。
更に「ひとり」で〆、悪くはないけれど、かといって良いとも思えなかったんですよ。
「豊田の空に」と歌うために、あの曲を選んだのならば。私は地名を入れるなら、自己紹介を更に兼ねて踊れる、盛り上がる「侍ゴスペラーズ」で十分だ、と思ったから、というのが理由で。「東京スヰート」が嫌いだからではなくて、全体を通してみた時に「こうも盛り上がりのないままに終わらせるのは、客の立場になると正直、どうなのかな?と思うんですけど」と直後に洩らしていて。
私が彼らを然程知らないとして、観ていたら、きっと豊田の内容だと「んなもんか、で。客だけ盛り上がるんだ」と冷静に、冷淡に嗅ぎ取ってしまう可能性は大いにあって。凄く、彼らの見せる音楽に「間口の狭さ」を感じたんだろう、と思うんです。
こうして椅子に腰掛けて、聴いていて。少しだけ歌い込んだだろう「東京スヰート」は、豊田で聴いたものよりも少し包容力が出て。随分と前から、私は村上さんのフェイク具合で、本当に声の調子から当日のメンタル傾向まで読み取ろうとするという微に入ったと言われてもいい、そういう嫌らしい(苦笑)癖があって、それは時々彼が見せる「俺にしか解らない」的オーラのフェイクをすることがあるように思うから(苦笑+自爆+起爆)
私はソイツが非常に苦手で、それが出たところで「ダウト」となってしまう人で。他人に感情移入の余地がないのなら、ただ自分だけ悦に入ってしまったら、それはフェイクとして意味を成していないんじゃないの?と思うから。
私にとって豊田の「東京スヰート」は「悦に入ってない?」と疑問を投げたくなるものだっただけに、この日の「東京スヰート」はソイツがなかっただけに、「ひとり」で垣間見えた「村上さんは大丈夫だ」は間違いがなかったように思うんです。
そして、私が常に黒沢さんの調子を判断する曲といえば。もう昨年「ゴス坂ツアー2000」の間中、本編最後のこの曲の出来不出来でライブの出来のジャッヂを決めていたくらい、かなり重きを置いて聴いていたのは確かな曲「永遠に」。
この曲を名古屋で、3階最後列で聴いた3人(しかも3人とも一ヶ月前にあった沼津公演を観ていたりするんだけど)が3人して「ゴス、化けたよ」「今日の「永遠に」は届いたよ」「もう、この曲で売れても良いよ」と洩らしたら最後、正月明けから売れました(大起爆+大爆笑)
いいんかい、そんなんで…

今思うと、あのツアー終盤からは「いっぱいいっぱいです、もう必死です」という感じで「永遠に」を歌っていて。その必死になったところで「この曲で残るんだ」「この曲を残していくんだ」「この曲を届けるんだ」と心底思ったのかもしれないし、だから「この曲がヒットする」と思ったのだろうし、だから、この曲がここまで届くなら売れる、そう当時は思ったわけで。
そのかなり必死な印象が私には強かったんですけど、その必死さが歌い込むことで削ぎ落とされてきて、良い意味で余力を覚えて。必死さがないわけじゃなくて、必死さを越えたから逆に包容力を持ったんじゃないか?と思えたのが、この日の「永遠に」で。
今まで何度も聴いた曲が、こう違って聴こえることってあるでしょう?まさに、それですね。
で、この曲。そのまま「ゴス坂ツアー2000」バージョンで行く、と思ったんですよ。
要するにCDのトラックのまま、unplugged live versionの状態まで歌い切る、あのバージョンで終わるのか?って。けれど、そこでブツリと断切るかの如く。それはきっと、冒頭から続けてきていた記憶のパズルを繋げていた作業に楔を打つように。ブツリ、とシングルの状態で終わってしまって。
「…?」
私は、もう次の展開が読めない。
今まで「こう来るだろう」という読みの大半を当ててきて、ここで初めて不意をつかれてしまう。

デビューして、もう7年。念願だったヒット曲も出た。
今や地方公演に出ても、ホールクラス。
しかも「チケットが売れない、売れ残る」と言われる地方公演でも完売できるようになった。
「根拠のない自信は、その頃(50人のライブハウスで歌っていた頃)からあって」
そう言われた時に、本当にいろんなことを思い出さずにいられなかった。
最初に観た時に良いと思った、これは面白いと思った、観ていこうと思えた、そして、このまま伸びていけばいいと思った。
初めて「この人たち、売れるな」と確信したのは3枚めのアルバム『MO' BEAT』が出る前の単発ライブでのこと。今はなきNISSHIN POWER STATIONで、ステージに負けずと「Tonight」をハモり切る(つまり歌っているんだけど、ちゃんと客がそれぞれパートをハモっていたんですよ)客を見た、そして客の中にいた時。
「この人たちは売れるかもしれない」
そう思っても理由を訊かれても、それは説明に苦しむこともある。
曲の良さ、ライブの良さ、それは理由のひとつだけれど、同じくらい理由のひとつに「その、ある一瞬で「コイツら行くかもしれない…」と思うこと」が、あるように思う。そう思える瞬間があること、本当にゴスペラーズには多かったんだってこと。各自の成長が見えて、そして試行錯誤も同時に見えて。満足もがむしゃらも傲慢も見えて、それくらい感情が出やすいのも一側面としてあって(苦笑)
『Vol.4』リリースした辺りからは「ちゃんと伝えられれば、もっと届くと思うんだけど」という思いがあって。ファンが持つ思い入れの方が、周囲の状況よりも上回っていて。だから当時は「何故「靴は履いたまま」をシングルにしないんだろう?」と話したことがある。
そう思う間に、いつの間にか試行錯誤してスタイルを変えてみたりして、ツアー序盤で「どうなんだろう?」とファンの間で大議論状態になったことを、某雑誌インタビューで散々指摘されるくらいのツアーまであったわけで。
「ついてくるなら、ついてこい」
五鍵ツアーでの、その言葉に私は嫌悪した。冗談じゃない、と思った。大きく出たな、と、その場で嘲笑したのまで覚えている。それが神奈川県民ホールでの、公演での、ことだ。
それを決めるのは私の心だ、それだけのモノを魅せてくれたか判断する私の心次第だ。媚びてるの?ファンに見得を切らないとならない程に。客とステージの関係は、そんなもんじゃないでしょう?そう思った。そこまで大壇上に構えるのならば、やってみせてよ?最後はもう、ただの悪態に近かったと思う。
打ちのめしてみせてよ?それも出来ないで見得を切るなら、此方から見限るだけだわ。

悔しいけれど、そこまで思い出していたら不覚にも泣き出していた。
根拠のない自信は、ずっと私にもあったんだ。
「売れる、この人たちは大きくなる」っていう、不確かだけど、どこかで。
ライブの動員だけは常に右肩上がりだから、思ったのかもしれない。けれど逆に、それは異常だと思った。中野サンプラザ4日間?悪いけどオリコンのアルバムチャートで1桁を一度でも出してからじゃないの?(苦笑)去年、東京公演に関して「大きく出た」と返したのは、だからだ。それでも見合わない、見合わないのにやるんだ。
浜松の公演にしても。休日のはまホールを埋めれないのに、平日のアクト?大ホール?4階まであるのよ?中野より定員多いのよ、センチュリーホールと中野サンプラザホールの間のキャパ数なんだよ?解ってる?それでも使うの?そう思ったから。

「ゴスペラーズの、あたらしい世界。ついてくるなら、ついてこい」
そう言って、あの頃は入った曲を「これからも、よろしく」という言葉で〆られる。余りに需要を狙い過ぎて、と、当時の私が苦笑した曲。
「日本有数の睡魔誘発アルバムだ」とボヤいたセレクション・アルバムに唯一ドラムが入っている曲。
丁寧に一度、曲が〆られて…。
そこまで聴いたところで、もう限界だった。
曲が一度終わって始まったところで、一度躊躇したものの一度だけで、思い切って立ち上がると思い切り、手を叩いていた。
私の前はまだ誰も立っていなかったから、恐ろしいくらいに視界が開けていたのを覚えている。
不安でしょうがなくて、それでも無事に千秋楽が終わったから立ち上がった日。
泣き顔なんて舞台から見えない場所の筈なのに、誰にも見られたくなくて、顔を前の席の背もたれに隠して泣き出した日。
本当は開演前に「立たないように」と制されていたのに、どうしても「ありがとう」と伝えたくなって、最後、立ち上がって手を叩いた日。
けれど、泣きながら手を叩いたのは初めてだったかも(苦笑)

アンコールは「ダンス天国」状態でしたねー。
アンコールの銀の服には唖然としましたが(起爆)それは伏線があるからこそ、ですよね(ニタリ)
こうなると場内、踊る阿呆状態。久々の「カレンダー」で驚いたのが「♪涙の理由を〜〜」のくだりでホール全体から、歌うことが響いたこと。
驚いた、本当に驚いた。
なぜなら俗に世間が言う「ブレイク後」だけに、私には過去の楽曲を歌い切れると思わないし、そういう状況になるとも思わなかったし。あれには「なんだ、届くんだ」と新旧ファンの間の不安や溝を少しだけ埋める手がかりを手にしたような気がする。
今や「踊る」ゴスペラーズ楽曲の定番となると外せなくなりつつある「シークレット」に、CDよろしく(シングル「パスワード」のc/w曲どうしだし)「Love Machine」を繋げて。しかも間を繋ぐのは「カレンダー」〜「シークレット」の間が「これが観たかったのう!!」と身悶えた元・Tスクエアのベース・須藤さんの超絶ベィスソロ!!!!!(狂乱悶絶)あれ、チョッパーだったよね?<興奮しすぎて覚え切れていない(自爆)>ストちゃんを愛する関係者各位。
そういうことを出し惜しみせず豊田でやりなさい(爆)と思ってしまうでないの。あう。
更に、久々に、だな…。通常のツアーで魅せた酒井さんボイパ(ボイスパーカッション、ヒューマンビートボックスともいう)ソロパート。
これでせう。以前から「そういうゴスだから出来ることがあるのに」と言い出していて、同じように出来ると思うのが「北山さんのベースソロで誰かとのバトルに持ち込む」なんですけど…、出来ないのでしょうか>関係者各位。
確か「G5」ではバリさんのスクラッチやリズムに合わせて口ドラムやスネアでぶつかっていく、というDJとボイパとのバトルという非常に興奮するものがあったんですね、それで更に客を乗せたんですが、今回は完全ソロ状態。
「シークレット」〜「Love Machine」で、スタンドマイクを村上さんが酒井さんの前に立てて「?、ボイパするのにスタンドマイクはしづらいだろ」と思っていると、袖から上着を持参する+着せる黒沢氏、背後では「ゴスショウ」コムビこと安岡氏+北山氏がサングラスをかけさせ束ねた髪をほどかせ、…、で。全ての装着が完了したところで、あのイントロだああああ!!!!というわけ。
要するに銀衣装は「Love Machine」様変身用だったのね…
しかもLove Machine様、そちこちにバフンバフンと噴射していくんですね…(汗)
そんな飛び道具を身につけたのね…(呆然)
前回の電飾に続いて、それに飽き足らずLove Machine様がエスカレートしているのが怖いわ(爆)
それで前の客を威嚇するかと思えば、終盤はブチ切れながら吼えるだけ吠えまくり、ちゃっかり村上さんに照準を絞ったかと思うとバンバン当てていくので村上さんがステージ上を逃げ回る、それを追いかけていくLove Machine様…、なる構図が(起爆)
何があったんだ?>Love Machine様

で、最後に挨拶となるわけですが。酒井さんの「気になるもの」のひとつが「チョレギ」なのは判らなくもない。けど、次に「液キャベの歌」を歌ってみせた時には「あなたが本当に解らないー」と言いながらも「ああ、だから酒井さんだ」と思いました(苦笑)もういいです(謎)
で、最後を「チョレギ」で〆たら最後、次の仙台から「チョレギ」コール来るよ?と思ったところ、北山さんに「チョレギー」と声がかかるではないのさ(大爆笑)
「俺は、チョレギじゃない」(場内大爆笑)
ならペイシャンと呼ばないとあかんか…。

以上、至らないライブに関する文章でした。ご静読、有難うございました。
悔しいけど、良かったよッ(捨て台詞風に)

■songlist

01.ひとり[a cappella]
02.靴は履いたまま
03.Free Space
MC[全員・挨拶]
04.AIR MAIL
05.〜I LOVE YOU,BABY
06.〜t.4.2.
07.約束の季節
08.Wanderers
MC[酒井+北山]
09.NO MORE TEARS[acoustic set]
MC[村上+黒沢+安岡]
10.告白[acoustic set]
11.夢の外[keyboard,guiter solo]
12.熱帯夜
13.FIVE KEYS
14.愛の歌
15.東京スヰート
16.永遠に
MC[村上]
17.あたらしい世界
--------------------
EN-01.カレンダー[bass solo]
EN-02.〜シークレット[voice percussion solo]
EN-03.〜Love Machine[drum solo]
MC[全員・挨拶]
EN-04.Promise[a cappella]

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