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[1999/08/28]ゴスペラーズ坂ツアー -FIVE KEYS-@神奈川県民ホール

※この文章は過去、web上にあげられていたものを再録したものです。
なお、ライブレポート集のインデックスページは、此方になります。

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正直に書きますね。
このツアーが正念場だという思いが、私にあったからこその感想。


これってどうなの!?(起爆)


正直に書く。
このツアー初「五鍵」にしての感想にして感想は激辛、ファンとはあるまじき暴言の数々となりますことをご容赦下さい。
正直、このライブで人を感動させられるのか??ということをライブを見ながらずっと考えるくらい、ライブ中の私はジャパメタ紛いの「FIVE KEYS」で「カモン、…ジャンプ」時、見事ジャンプを決めようとも、その見る目だけは冷徹冷静。
はっきり言って「この一本だけで「ついて来い」と言われたら、私はついて行かなかった」と思う。
なんというか、やりたいことが判るんだけど中途半端に提示されたこともあるだろうし、けど「観ていて、彼らがこれほど不快に思えた」ライブは史上初だったのは事実。
まあ、要因は幾つもあるんだが、それを提示して行く形で書いてみようかと思う。
辛辣過ぎてスイマセンが、こういうふうに思えた人も居たというサンプルケースとして記憶にとどめて下さい。

まず、2000人台のホールであの音響を組んだということに対しての、不信感のようなもの。
心を鬼にしてはっきり言いますわ、あの音響の組みならもっと大きなホールでの音響(PA)を考えた時に「危ない」と思う。
ゴスまで来ると「音が良い、悪い」をとかく言う人が少ないだろうけど。でも、初日の戸田はもっと音が悪いと聞いた日には「どうするんだよ」となりますよ、本気で。
プリプロの会場使って音が悪いってどういうことなんでしょうか。
それも今回(神奈川県民)は一階席で、それもPA卓の数列後ろの北山さんサイドでこの感想なんだから、どうするの??と、第一音が出た瞬間から眉を寄せたんです。ぬぅ…、って。

次。MCでドッカン(起爆)。
「僕ら、今、調子が良くて。ええ、凄く良い調子で製作とかしてます。もう俺ら、調子に乗ってます」という発言。
そうは思えなかった(正直に言う、とんねるずのタカさんに「無理してるんじゃないの」と言われたグループが「調子良い」とは思えなかった)。
言葉の表だけ受け取るのなら「此方への謙虚さすら、ない」という判断を下しそうになりました。…、まあ悪気あっての発言じゃ無いと判っているからそれこそ必死で堪えましたけど。…判るのよ、発想がドンドン形になってることも、自分たちの地位が(周辺からも)上がってきてることなど作品からも把握可能。
だけどもさ。
そのMCはゴス初心者からしたら、間違いなく大きな誤解を受けるよ?
一般の人ほど、それがあるよ?
更に言おう、「調子が良い」と口走った後、そうだなあ次回作を出した頃に「そういやあの頃、ホントは調子良くなかったんですよね」と回想された時の発言の責任を誰が取るの?自分達の発言がどれほど重みを増したか、判っているんですか?と詰問しそうになったんです。
発言ひとつに心を乱されるファンが本当に多くなったんです。それを知って言っているのでしょうか?と。それに見る人の数が増えた今、そういう発言がともすれば上げ足取りになることも承知してるのだろうか。と、怖い、と危惧を抱いたんです。

そして「「あたらしい世界」について来い」という言葉、ファンへの「媚びたもの」を感じたのは何故だろう。
それを決めるのも自分だし、それだけは君たちから言って欲しくなかった、という。
それくらい自由な関係性なんですけどね〜、と皮肉モード、真っ黒い「さちやん」登場しそうでした。
その発言に私は「応援して下さい」じゃなくて「ついて来ないとファンじゃねーよ」というニュアンスを微妙にも感じてしまって。…、どうしてもダメだった。私には共感できるものが何も無かった。
本当のところ「お客様は神様です」ではないにしろ。実際のところ、それくらいのものがあると思う。一瞬、ほんの一瞬だけですけど本気で「客をバカにしてんの!?」と思いました。ブチ切れてしまいそうに(事実。帰り道、実は相当怒り狂ってたのですが)。
お客様ほど、素人とは言えどもしっかり肌で君たちの判断を下すんですから。そういう辛口アンケート回答ほど貴重と思わねば(毒)


あと、どうもねえ…。
黒沢さんの歌が(発言不能)。
私の独断なんですけど。ほら、主張のある歌い方というか。歌の主張のし方というものがあるとしたら、殊更クドく歌うのと自己主張ある歌い方というのは似てなくもないけど、全然違いますよねぇ??そういう印象が残った。
ゴスの魅力のひとつに「黒沢さんの歌の良さ」がある(特にアカペラでは彼の独壇場となることも)ので、それが失われた気がしたのだわ。思わず「ちょっとそれって」というコメントをアンケートに書いたくらい。
見せ場として置いたのだろう「逃飛行」と序盤の火付け役「熱帯夜」が、違う質を持つ筈の歌が全部一本調子。同じ調子に聞こえるってのはどうなんですか?それじゃ曲の表情、全然ないじゃない…、そんな黒沢さんを見ていて此方が冷静にさせられてしまって。
咆えるボーカルをするなら「し方」もある、けれど、その面は村上さんの方が私には「黒沢さんより上だ」と思うからかもしれない。
けれど…。
たぶん、彼の歌の過渡期なのでしょうか。とも思いますけど、ね…。

見た数の分だけ今回の@横浜は、いろんなライブを見た数年来のうち「ちょっと、今日は良くないよ…」という言葉をつけるくらい、本当にノレなかった。
アルバムの曲の並びから予想はついていたけど、そういうふうに来るんだと判ったけど、判るけど引き込まれるほどのモノを見せてない。
客に対しての態度がどうも…、なんだか見ていて謙虚じゃなかったんですよね。
「(俺たちに)騒ぐのもこれくらい当然だろう」というのか、客席は盛り上ってるのに本人が盛り上りを押えられないというんじゃなく、それに合わせて行こうとしない。というのか。
此方の熱を撥ね付けて、冷静に、実に事務的に事を運ぼうとする姿勢に見えて。
確かにツアー序盤だから本人たちより周囲が騒ぎ過ぎる。だからこそ、それを使うべきなのに撥ねつけたと思った。ステージの距離以上に存在を遠く、感じた。
それは「自分達の手の届かない人になった」というモノじゃないなぁ…。
自分たちゴスペラーズと客は違うんだよ、というような意思表示に似て。それもあったからか、彼らも中途半端に乗り切れずいたようにも目に映る。
言うなれば「ボルテージ7割でも客が喜ぶと判ってる」ような振る舞いを感じたというのか。それに対して一番嫌悪した。それはお客に見せるものじゃないからだ。
この日一番楽しかったのは、会場前でのオフでしかないです。ええ、それくらい「…………、見なきゃ良かった」ライブでもありました。ええ本当に。
ということで、この1週間後の沼津・浜松への危惧を抱きつつ、次回に続く。【続】

●この日いちばん、それでも良いと思えた曲:「讃歌」
冒頭がねえ…<サカイストだわ(爆笑)

1999年8月28日の日記を採録します。
ネタバレが出来ない状況で書かれたものなので、えらく抽象的ですが。

ゴスペラーズ坂ツアー「FIVE KEYS」横浜公演、観て参りました。

先日の日記にて。試金石だと思う。と、書いたのは「ここが彼らの正念場」だと思ったからだった。
新人じゃない。もう5年目だ。
この間、ライブは確か一昨年の大晦日のLIVE GI:GAの話だったのか。
私は失念したが「ゴスがトリで、デビュー前のトライセラ、ミッチーと並んでいたけど…」となった時に「何故あの時、ゴスがトリ??(単純疑問)」となり、私の口をついたのが「年功序列じゃない(起爆)」
そんな会話を何故、ここに来て思い出したのだろうか。

もう若手だから。という言い訳が利かなくなって来てるんだよな。と、観ていて思った。
当然のことながら、5年というのは10年の半分だ。
その5年を過ぎただけでも凄いと思う反面、その年数分だけ過去を知らないファンが増えたんだろう、と思う。

20の時が最初。それでもまだ、ライブハウスだった。
狭いステージに5人並ぶのは壮観だったし、ちょっとだけ窮屈そうだとも思った。

ステージを観ていて。実際、はしゃいでいるくせに。思ったのはそんなことだったりする。
ライブはいつでも心の定点観測だと思ってる。
その音楽が心に届くかも、響くかも、震えるかも、心の所在する場所が違ってくると自然と生じることだと判っている。それでも。

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