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[2000/08/27]斉藤ノブSpecial Nights in ARENA ≪宴≫@二子玉川アレーナホール(ゲスト:村上てつや)

※この文章は過去、web上にあげられていたものを再録したものです。
なお、ライブレポート集のインデックスページは、此方になります。

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ひとりの歌うたいとして、彼が何を歌うのか?
開演前から、ticketを取る前からずっと。私が思ったのはsimpleなまでに一点、このことだった。
ゴスペラーズの中で一番musicianの傾向が強いのが彼だと思うから、の私の思うこと、である。

上のcommentだけでは補足が必要だ、なので補足らしいことを。
musician的思考回路が一番通っているtype。それが彼だ。それが私の持つ「村上てつや」像である。同級生の黒沢さんなら、多分よりsingerの側面が前に出るのだと思う。
だから、私は逆に黒沢さんがsoloをしたら面白そうだと睨んでいた。ら、である。…、ノブさんからの個人指名は彼、村上てつやにやって来た(爆)

冒頭はノブさんのbandの演奏から。
ということでinst曲。こういうsessionは観るだけで楽しい。が、この日。冒頭、ノブさんの洩らした
「暑いねえ」
に即座に入った
「そうですね!」…
申し訳ない。
アレーナホールをスタジオアルタ、斉藤ノブさんをタモリさんにしたのは隠さないよ…、私です(暴露)

inst.曲の後、村上さんが呼び込まれる。
幾らかjazzyな曲、誰の曲だろう?と思っていると浅川マキさんの曲だとの事。
…、もうここからして村上さんのド趣味だ(苦笑)
この日の彼の服はkhaki、というより私にはひたすら玉虫色っぽく見えた(苦笑)suit、同じ色のY shurts。whiteyellow(白の成分の多い黄色)のnecktie。忘れちゃならない、suit裏に折り紙の赤の裏地つき。薄い蒼の入った sunglass【若干大きめ仕様・PV「熱帯夜」あたりご想像下さい】に、Jackson 5入ったオバチャンparm hair(爆笑)
だからか、隣の隣から洩れた
「…、素敵」
の「…、」はやっぱり何かを堪えたものだと思ってるが…、どうでせうか(微笑)当然?何気に目尻に涙。素敵なんだけど…、だけどー、何かどこかで笑いそうになるんですけど。
何故?>皆様
これって一種の照れなのか、ともあれ。

この日、私が「参りました」と最初に頭を下げてしまった曲、それが彼が歌い出して3曲目にやったRCサクセッション「スローバラード」。
村上てつやという人物の歌が見える、そういう感じに此方側に映ったからだ。
それまでは、自分の中のどこかで座りの悪さがあったり、一方で「ゴスペラーズの」という冠を思い出してみたり、彼が歌い出した時の沢山の緊張感からか?どうも歌にのめり込めず(その理由の一端に「ああ、こういう選曲なのか」と自分が思った事もある)、むしろ上滑りなものを自分が抱いてしまいそうになった、その時。
グッと歌に私を向かわせるだけのものを初めて、私が見出したのがこの曲だった。
この曲で何かが吹っ切れたのかもしれない、その後に続けたKANさんの「1989」での鮮やかな伸びやかさ、ってなかった。
鼻にかかる、あの特有の声に転がる癖(と私は思っている)があるKANちゃん節を、自分のものにして歌っている彼を観ていたら、このlive、本当に中盤〜終盤、とどうなるんだろう?としか思えない。
それは不安じゃなくて、確かな期待。

それより何?(崩壊寸前)って思ったのは、「ノブの部屋」と題されたMCの枠でせう。何と、guestと長喋りをするんである(苦笑)しかもノブさんは京都のお人だけに、村上さんが喋り出したのは関西弁。
まぁ首都圏じゃそれも珍しい方なのか。ともあれオフレコ話、伏せないとならない項目の多い中、気になったことを幾つか挙げてみると

・安岡さんネタでふたり大変盛り上る(爆笑)
・酒井さんの話をふたり避けようとする(爆)
・ノブさん途中退場時、舞台に残された村上氏「おとーちゃん」とノブさんを呼ぶ(爆笑)
・ゴスペラーズの所属事務所・グラシアスの小林社長讃歌状態になる

くらいにして置きましょうか(微笑)
これ以上喋る事が出来ない位のdeepな話が多過ぎるんですもの、私が過剰反応を示すlineばかり。何故そこで某松さんとか、村某さんネタなのでせうか。
此方の反応が瞬時瞬即なのに対し、one tempo遅れたゴス好きらしいfanの反応・・・(苦笑)
私が見ている場所が歪んでいると思いました。ええ。

「BEN」〜「WITH YOU」と流し、そして終盤。
「接吻」〜「愛のためだけに」はキレイに皆様、standing遊ばされました。
何気に周囲ではなりきりが始まり、「愛のためだけに」のchous partを歌ってしまうのは何故(爆)終演後に一列後ろにおわした知人筋の洩らした
「あれは「ひとりなりきり」ではなかったのか?」
という鋭い指摘に大いに納得。
あ、encoreの「朝の食事」に関しては、no commentを貫きたい。
それくらいに真髄を見た気が…(苦笑)参りました。
村上てつやという人間を短いながらに濃縮で堪能できた事はホンマ大きい。

観終わって。
今だから思うことがある。というか、今だから逆にやって欲しいこと。日記にも書いた。
このliveに参加された方は、出来たら参加musicianの方がどれだけあなたに近い場所で音楽を奏でていたのかもしれないか、ちょっとでも知って欲しいな、と思う。
その事実って後からめちゃめちゃ大きく膨れ出すから。
凄いことだって、今は知らなくとも後になって気付くと思うから。
余計かもしれない。けれど正直に、それは思う。
それだけ、村上てつやがいたstage。その場所は「とんでもない」場所だったこと、そこにひとり立たされた「タダの若造」だったこと。それを知って欲しい。
それを知ると余計に、彼の凄さを知るから。
確かに彼は凄かった。けれど、それを引き出したのは彼と対峙したbandであり、そしてひとりひとりのmusicianたちだということ「も」忘れてはならない。(その音楽の可逆反応の持つ重要性を知っているからこそ、今まで以上にbandが機能していると思い切れなかった去年『五鍵』時以降の辛辣な commentsになる。あれが生まれたのは、ズバリpoint、全ての根幹がここにあるんです)
だからこそ、だ。正面から彼らと向き合った。敬意を払いつつ、しかと彼は胸を借りていた。本当にただの「村上てつや」として歌ったのだと思う。今あるだけの自分で勝負したからこそ、あれだけの笑みも、歌も生まれた。
そう思うから。その場所にご一緒したmusicianに関して、もう少し知って欲しいところもないわけじゃない気持ちがもたげる。性、なのかもしれないが。

今回のdrum、村石雅行さんが椎名林檎姫の「本能」のdrumを叩かれていて、と終演後に口にしたら、逆に驚かれたのを覚えている。
実はそういう人と共演している、そんな事実。
そんなこと知ってる方が少ないだろうけど、私には気になるのに十分だった事実のひとつだ。
そんな風に。どこかで自分が普段聴いているだろう音の中に、あなたが観た人がいるのだということ。そういう繋がりからで良いから、演奏をする人間をもっともっと知って欲しい。
そういう才能溢れる人が実は沢山いるんだっていうこと。その人たちが信頼感を持って音楽をする、だから体温の高い、音の力が強い、大きなうねりを持つ音楽になるんだということも。
bassの松原さん、思わずなりふり構わず「秀樹さーーん」と叫んでしまったが。彼はSing Like Talkingでお馴染みかも。
SLT的に言えばdrumの若大将・タカさんとの組み合わせでお馴染み。
そしてSALT BANDのメンツ。
彼と、あの日のkey.の小林信吾さんで、実はV6のsg「IN THE WIND」だなんて信じられますか?>皆様
この事実を知った時に「それってidolじゃないよ、音楽。本格派だよ」と私は叫んだんですが、実はそういうこと。

あの日、信吾さんのkey.でのKANちゃんの曲で「滅茶苦茶それcoreだよ〜〜〜」と涙が出そうになったもの。
それを言わせる正体の一端っていうのは、こういう馬鹿馬鹿しい程の要らないかもしれない知識が生んでいたりするんだって事をも、ね…。
知ると、その観たものが本当に凄いんだ、って思うから。

■songlist

01.UTAGE
02.ロンサムロード[浅川マキ]
03.流星都市[小坂忠]
04.スローバラード[RCサクセッション]
05.1989(A Ballade of Bobby&Olivia)[KAN]
06.BEN[Jackson 5]
07.〜With You[The Moments]
M-6からM-7はmedlayでした。
08.ジュリエット[安全地帯]
09.接吻[Original Love]
10.愛のためだけに[The Gospellers]
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EN-1.Just around the corner[ハービー・ハンコック]
EN-2.朝の食事[加藤登紀子]

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