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[1999/10/17]ゴスペラーズ坂ツアー -FIVE KEYS-@東京厚生年金会館

※この文章は過去、web上にあげられていたものを再録したものです。
なお、ライブレポート集のインデックスページは、此方になります。

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最終日だけに舞台の上でも「慣れた」感じになって、やっと見れる、そう思えました。

観始めた最初から「傲慢になるなよ」と酷評に始まった横浜を思い出した。
前半戦(戸田−浜松までの6本分、私はうち横浜・沼津・浜松と観てしまった)「まちがいさがし」後においていた「THAT'S WHAT I WANT」@沼津は秀逸過ぎた…とか、あの日観た熱気を思い出した。
浜松の「まちがいさがし」で、村上さんのソロで♪〜わけない♪のところ♪〜わけ。(半拍ずらして)…ないッ!!とやって「ざまあみろ」と言わんばかりの笑顔を見せたこととか。
他にもいろんな曲で思い出がドンドン、ただ溢れる溢れる。くるくると思うことは多かった。今更なのか。どうなんだろう。そんなに凄く楽しいと思わなかった、実は。続くのだろうな、としか思わなかった。それくらい心の奥底は冷えてしまってた自分がまざまざと見える。
2日前の東京初日を思い出した。だからか「逃飛行」は思わずチェックした(爆笑)「Tonight」で昔のフリで踊ってしまった(爆笑)「Higher」で、やっぱりジャンプした。「FIVE KEYS」でヘッドバッキングをした(けど、周囲はやってなかった。悲しい)。
「靴は履いたまま」での「君が。好きだぁぁぁぁ」@沼津の絶叫とか。<流石にファイナルだからするかも??と思ったけど、しなかったね。
これ以上ゴスを観たい。と思わないほど、私は「五鍵」を観たんじゃなかろうか。それが正直な感想で、傍観者(一般人)から見ても事実だと思う。あの場所に居たらはしゃぐだろうし、歌うだろうし、「なりきり」も率先してやるだろうけど、当分の間ゴスは観たいと思わないほど観た気がする。
けれども、5本観なかったら。と思う。観ないで終わっていたら、こんなに素直に「良い」「悪い」と、彼らに対して「思うこと」を言えなかっただろうと思う。というのは、いろいろ、このツアー中は自分で言ってしまってなんだけども、かなりいろいろ「思った」から。
言い切れることがある。あのまま横浜で終わっていたら、こんなこと思わなかった。「なんだよアレ」となって、怒って罵倒して、多分、ファンなんて早々辞めたと思う。そして「ゴスも歌が下手になったじゃん」と酷評を続けると思う。
沼津・浜松と観たから、東京でゴスを観ようと素直に思えた。奇妙なことに、姿が変わった彼らに「変わってないじゃん」、そう思えた。変化に追いつけなかったのは自分で、それはどうしようもないとしても(否定はしない)、そんな本質までゴロゴロ変わるわけがないじゃんか(苦笑)それがやっと判った。
そして、東京の1列目を体験しなければ、目の前で歌う彼らを観なければ判らない事もあった気がする。(どうしても「讃歌」で動けなくなるほどだったこととかを含めて)そう、全ては偶然のセレクトだ。けれど、私には必要不可欠のセレクトだったのだと思う。今更ながら。

五つの鍵は手のひらに落ちてきたか??と言うと、5回体験しても、答えは「NO」のままだ。
…たぶん、いいや、答えはこれから各自が、おのおのが自分なりに捜すんだと思う。自分で見付けないと、その鍵はきっと見付からないし、扉は開かない。それが、彼らを観ていたら一番思ったことだった。
鍵って何?
本当に掴みたいものは、何?
坂道の途中で、何を見つけたの??
その答えはこれからの、彼らのライブに潜んでいる気がする。また見逃せない日々が始まる。苦笑いしながらも、そんなことを思った。


凄く感情的なレポートが、5本。長く続いたと思います。
他の人がきちっと形にしてくれるのを読むと、自分はレポといえどもレポではないものを書くと思う。もし書くのなら、それこそ職業(文章のプロ)意識を持って、微細に至るまで汚らしく観る。踊るどころか後ろでメモ片手にレポに徹する。それくらいのこと出来る(学園祭で経験済)し、それだけのことになると思う。
それはしたくなかったので、感情のまま、音の世界に身を任せて「観た」というところだ。
それが出来ないから、感情を走らせるレポートとなった。
こんなことを思って、ひとつのツアーと向き合ったのは、正直、私も初めてだった。
夏の終わり、と歌う「Loser」を聴いたのは、その通りの夏の終わり。
半袖でOKだった、残暑の静岡シリーズ。
いつのまにか長袖のジャケットを羽織るほどに季節は変わり、去年同様の雨の中で始まった東京公演。
それはそれで楽しい期間でした。
有難う。を、今回出会えた皆様に。
末筆になりましたが、ご静読。誠に有難うございました。>ををる

■songlist

01.熱帯夜
02.八月の鯨
03.Air Mail
04.Century
05.まちがいさがし
06.Loser
07.讃歌
08.夜をぶっとばせ
09.t.4.2.
10.〜星空の5人
11.〜Tonight
12.(inst.)
13.逃飛行
14.I LOVE YOU,BABY
15.THAT'S WHAT I WANT
16.靴は履いたまま
17.〜Rockin' and Cryin' Blues
18.FIVE KEYS
19.愛のためだけに
20.Higher
21.あたらしい世界
-------------------
EN-1.終わらない世界

現在が2009年なので単純に引き算して10年前。10年前に書いた文章が、これら、今回アップしたライブレポート(のような雑な文章群)でした。
ライブレポートとしてカタチになるモノを書き出したのは、この後の2000年からです。なので、1999年のものは体裁が整っていませんし、文章も練れていません。思い返してみたら推敲も然程しなかったんじゃないのかと。
その代わりに勢いはえらく良いですが(微苦笑)それはホールツアー自分自身初の1列目だったり、とか要因はいろいろありますが、そのライブの時々で自分の気持が動いているのがわかります。この最終日は冷静な目線が続き、それが導火線となって「G5」ツアーでドッカン!となっていることにも気付ける筈です。
私個人、「ライブを観る」人の目が本当に養われたのは、この「FIVE KEYS」ツアー(五鍵)であり、その序盤、戸田から浜松までが特に大きかったと思っています。

この当時を回想して書き上げた文章を最後に載せておきます。
正直、あの頃、体感していたものを書いた!と思い切れていません(たびたび書こうとして書ききれずにいる状態が密やかに進行中、といいましょうか)。が、兎に角、あの頃、どうにかして言葉にして誰かに伝えたくてしょうがなかったのは間違いないようです。
GBのライターさんが五鍵は浜松公演のレポートを書いていたんですが、それを読んでの私の感想は
「そりゃ、戸田もカナケンも広島も沼津も知らずに浜松からなら、悪いけど、幸せだよ」
でした。浜松から観始める、という人に対して投げかけた言葉も「浜松からなら幸せだ」でしたし、その後から観始めた人にも同様の言葉をかけていました。
----、ってーので伝わらないんだよなあ(苦笑)こういうの。

ただ、こういうタイミングに立ちあえるのは、そうはないことだ。それだけは言えますね。

ゴスペラーズは「FIVE KEYS」略して「五鍵」がstart。
「あれは酷過ぎる」とfanからも苦言が洩れた序盤も序盤、初日の戸田公演、続く横浜公演。
その一週間後の沼津・浜松の序盤series終盤となった「静岡series」という「五鍵序盤戦」。
あれを観たか観ないか、それだけでゴスペラーズの見解が変わるかもしれない。それくらい激変の一定期間だったんだと、後になればなるほど気付きます。

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