2005/Dec/26 | monologue
ロマンス
今年も最後になるというので一年を振り返り、改めて思うのは『G10』というライブツアー、は、原田知世の「ロマンス」のよう。なんですね、なんとも把握の難しい喩えをするものだとお思いでしょうが。
全般的に起伏が激しくなく、かつ、ターーッと駆け抜けられてしまった印象が残る。ゴスペラーズが「一陣の風」状態、といえば言葉のさす方向性が掴みやすくなるのでしょうか。
前述のような結論を導きだした理由は、ライブの後、一晩寝たら、前日のライブの記憶がまったくなかったからだった。
帰りの新幹線の酷い顛末はございますが!それがあったとて「曲順は覚えてるけど、強烈に焼き付くものがなかったんだよねえ」→「ライブ自体の記憶がないねえ」と。
過去、そういうことがなかった。「中途半端なあたらしい世界じゃ」と酷評した『G5』でさえ覚えてたというのに。
参加本数を数えるのを40を越えた段階で放棄したし(本当)、今となれば過去のライブで覚えてないものは覚えてない!と実感している昨今だが「ああ!ゴスペラーズのライブを観た!という強い感触がない」ことに驚いた。
これまでの中でも長い時間、やった部類なのに。
--------、今年5月。知人間複数名の間で「ライブの記憶が薄いんだが…」というメールの応酬になったことは、今も記憶している。
それを彼らが自らわかってやっていたのなら『G10』はよしとしよう。
6月の入口で、そう踏ん切りをつけたのだ。
だからこそ、活動再開後が少し気にかかる。
今回の単館公演シリーズ(通称「冬シリーズ」と呼びましょうか?2001年の単館公演シリーズ→「秋シリーズ」を連想させるから)の曲順を見ての(聴いてない、観ちゃない、ここ重要)感想が「ゴスペラーズ本格運転開始なんだけど実際試運転みたいな」なんだわ(爆)
曲順を見て「うっわーいきなりエンジン全開じゃん」「ゴスペラーズ本領発揮ぃ★」と思い切れなかったんだ、どうしてだか。
悲しいかな「ライブの曲順だけじゃはかりかねるのがライブ」である。
事実、実際に目にしないと「なんともなー」の連発になるのだが、それでも、曲順から意図を推察するに(例えば、あの曲を入れたのはリベンジ?だとか、の、ヒントはある)「もう10年越えたんでしょ、大丈夫かいな」のひと言が出そうになる。
2005年から1994年を引くと、11年。
節目だから思うのか、「五鍵での「ついて来るなら、ついて来い」の先が、これ?」の失望は、二度も三度もしたくないよなぁ…(苦笑)と改めて、思う。