終了番組評価 評価詳細(コメント有りor評価公開可のもののみ)
No. | 作品名 | 評価 | コメント | 転載許可/評価公開可 |
1 | B-伝説!バトルビーダマン炎魂 | 駄作 | 昨年『最悪の部類』とこの作品を評したと思うが、それが今年になって『部類』という表現すら外れ、まさに『最悪』の作品になってしまうとは、さすがに思いもよらなかった。毎週毎週『いくらなんでも先週が底だろう』と信じてビデオを見ては更に底があったことを思い知らされ打ちのめされた終盤の二ヶ月間を、『絶望』と呼ばずして何と呼ぼうか。これまで、つまらない作品に『諦め』や『怒り』を感じたことなら多数あるが、あと二ヶ月も残っている段階で絶望のどん底にまで突き落とされたのはこれが初めてだし、これが最後であることを切に願う。 それでも序盤から中盤にかけては面白かった。大会の出場権を得る為かつての仲間達がそれぞれ単独行動を取り、それぞれの冒険を繰り広げるというのは、増えすぎたキャラを整理し一人一人にスポットを当てる意味で大変有効な手段だったし、このまま各キャラのドラマを掘り下げながら一年間続けて大会でクライマックスを迎えれば、大変盛り上がったことだろうと思う。 だがしかし、このスタッフの悪い癖で、明らかにそれぞれのドラマを描ききっていないにも関わらず大会は半年程度で終了してしまい、特にそうする必然性も無いのに世界の支配を企む巨悪VS主人公一行というお決まりのパターンへと持っていかれてしまう。『ベイブレードGレボリューション』から三年連続でこの無理矢理な二部構成を頑に続けているのにはどういった理由があるのか。しかも作品を重ねるごとに、前半と後半の物語的な整合性がどんどん無くなってしまっているのはどういうことか。まるで『まず二部構成ありき』が前提となっていて、それに合わせる為に無理矢理物語を組み立てているかのようだ。 それでも敵に悪としての魅力があればまだ面白くも見られたのだろうが、これまた『まず二部構成ありき』で主人公側にぶつける為に用意されたハリボテにしか見えず、キャラがまったく立っていない。挙句の果てに、敵が最強の必殺球を手に入れ破壊神も復活して世界を力で支配せんと息巻いている所に、主人公が『試合で勝った方に(世界が)従うことにしよう』と言い出して、それがすんなり受け入れられて5VS5の試合になってしまった時には鉛の棒で頭を殴られたような衝撃を受けた。ああ、このスタッフは自分たちの用意したテンプレどおりに事が運びさえすれば、前後のつじつまだとかドラマツルギーだとかはどうでも良いことなのだと。ご丁寧に試合の頭数合わせの為だけに、わざわざ人格もバックボーンも皆無の新キャラまで用意してくださるのだから恐れ入る。こんな魅力の欠片も感じない敵を相手に、あと二ヶ月も延々と消化試合(まさに『試合』だ)を見せつけられるのかと思った瞬間、誇張抜きに目の前が真っ暗になった。 その後の絶望スパイラルはもう思い出したくもないし、いちいち挙げていくと文字数がいくらあっても足りないので割愛するが、一つだけどうしても許せないのは、原作で死ぬ気配すら見えなかったキャラを勝手に殺して生き返れぬよう墓まで立てておきながら、たった一シーンの為だけに安易に生き返らせたと思ったら、それに対するフォローも何もなく以後まったく登場させずに使い捨てにしてしまったことだ。例えばエロゲー原作のキャラで同じことをやったら、どれだけ非難の集中砲火を浴びることか。確かにコロコロ作品の場合、原作とアニメとは言ってもストーリー展開は全く違い、キャラと世界観が同じな別物と考えた方が良いのだが、それにしたって原作で生きているキャラを殺すのは決して褒められたことではないし、自分達で勝手に殺しておいて、話の展開に行き詰まったからといって簡単に生き返らせたり更にそれを無かったことにするのに至っては言語道断だ。『どうせ子供しか見ていないから』『どうせ原作ファンなんていないから』といった軽い気持ちでこれをやったのかと思うと腸が煮えくり返る思いになる。視聴者を嘗めるのもいい加減にしてほしい。 ここまで酷評しておいてなんだが、自分は決してこのスタッフを無能だと思っている訳ではない。恐らく『趣味に合う作品』を作らせれば高い能力を発揮するスタッフなのだ。それはこのシリーズにおける一部の『趣味に合う』キャラに対する力の入れ加減を見ても伺える。だからこそ、『子供向け』というジャンルを馬鹿にしきった姿勢には怒りを禁じ得ない。仕事なのだから自分たちの趣味に合わない作品を作らされることもあるだろう。しかし、だからといって手を抜いて良い訳では決してないのだ。自分がこの作品に対して感じた絶望、それは、そんなスタッフの制作態度そのものへ向けてのものだったのだと、今振り返ってみて思う。 | 転載可
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2 | Rozen Maiden traumend | 駄作 | 第一期も原作も未見の身ではあるが、何の為にこの第二期が存在するのか、理解に苦しむ。 元々、何故ローゼンメイデン達が『アリスゲー』にあれだけ固執するのか自体が、自分にはよく分からない。この手のバトルロワイヤルものには、最後まで生き残ることで得る何物かの明示が絶対不可欠だと思うが、『アリスゲーム』ではそれが何なのか、視聴者はおろかアリスゲームに駆り出される当事者の深紅たちにすら分かっていない。とりあえずアリスが誕生することで『お父様』が喜んでくれるというのだけは分かるが、今シリーズで『お父様』らしき者として登場する槐は、とても深紅たちが命を賭するに値するような人物とは思えない。故に彼女達が真剣に戦う程、真剣に苦悩する程に見ている自分は逆にしらけてしまった。争いを好まぬ性情の蒼星石や戦いはやめたと宣言する深紅が最終的に戦いを選択する為の動機づけが、自分には『アリスゲーム』にも『お父様』にも見出せなかった。 そんなことをぼんやりと思いながら迎えた最終回、『お父様』と思われた槐はフェイクであり、また、アリスになる為の道はアリスゲーム一つではないことが明かされる。全滅かと思われたドール達も、蒼星石と雛苺以外はあっさりと復活する。どうやらスタッフは第二期そのものを稗史として闇に葬る心づもりらしい。なるほど、それなら確かに『アリスゲーム』の意味が見出せなかったのも戦わないと言っていた深紅があっさりと決意を翻すのも頷ける。元からこのシリーズで何かを描くつもりなど、スタッフには最初から無かったのだから。『第二期は無かったってことで』『第三期をお楽しみに』と言わんばかりの最終回は、ファンでもなんでもない自分から見ても随分と嘗めた真似をすると感じるものであった。 何も描かないなら描かないで、前半の何も無い一話完結型エピソードで最後まで突き通せばよかったのだ。無理矢理にでもバトルやストーリーめいた何かを詰め込もうとするから破綻が生じるし、ファンの反感も買う。槐がフェイクだったことで余計にその死の意味を失ってしまった蒼星石などを見ていると、第二期の存在意義がますます分からなくなる。同じ死ぬにしても、もう少し意味のある死に方ができただろうに。これでは確かに反感を買うのもやむを得ないだろう。 まぁ、スタッフ自身も『無かったことに』というメッセージを作品中で強烈に発していることでもあるし、もし第三期があるとしたら、こちらとしてもそのつもりで挑めば済むことだとは思う。だからといって第二期への評価が今更変わる訳でもないが。無かったことにしてほしいとスタッフ自身が望むような作品に対する評価は『駄作』以外には有り得ない。それが、存在を望まれなかった作品への当然の評価だ。 | 転載可
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3 | トランスフォーマーギャラクシーフォース | 駄作 | 実は最終回のみ年末の時間帯移動で見逃してしまったのだが、それを惜しいとも何とも思わなかった時点で、この作品に対する自分の評価の程が伺える。 そもそもアニマトロスから戻ってきたあたりから、物語に完全に置いていかれてしまっていた。最初は自分が適当に流し見しているからだと思っていたのだが、シリーズの十年来のファンである知人に聞いても『自分もその辺からついていけていない』という返答だったので、実際相当に複雑なストーリー構成だったようだ。本来アイテム集めという単純極まりない話だった筈なのだが、何故こんなことになってしまったのか。複雑なこと自体は別に良いのだが、それを多少なりとも分かりやすく見せようという努力がまったく伺えないのは困る。常に複数のエピソードが同時進行しており、それを整理もせずに漫然と多元中継しているのだから、ただ見ているだけで理解するのは無理というものだ。見る側にストーリーの整理を強いるような性質の作品ではないだろうに。 また、昨年も書いたようにこのシリーズは宿命的にキャラが多いのだが、今シリーズは各キャラの個性が最も立っていなかったように思う。ただでさえサイバトロンとデストロンでキャラが多いのにも関わらず、今知り図ではそれ以外にスピーディアだのアニマトロスだので計五体ものコンボイが存在し、それぞれに部下がいる上、それらのキャラがまるで描き分けられていないのだ。おかげでアニマトロスから帰還する頃には既にキャラの八割が認識不可能となっており、『○○がパワーアップした!』と言われても、元のキャラ自体がよくわからないので嬉しくも何ともないという事態が多数発生した。岩浪音響監督による極端すぎる程のアドリブが、自分の中でキャラを立たせる為にどれだけ重大な役割を果たしていたのかを、今シリーズで痛感した。唯一立っていたと思うのは若本規夫演じるところのフレイムコンボイだが、それもフレイムコンボイの魅力というより若本規夫自身の印象しか無いのは残念だ。岩浪音響監督のアドリブはキャラを立たせる為に声優の力を引き出したものだが、フレイムコンボイは若本規夫の個性におんぶに抱っこすることでキャラが立っている。この違いは大きい。 ストーリーとキャラという二大要素から置いていかれてしまった為、後半はドラマにまったくのめり込めなかった。地球の危機と言われてもまったく危機感を覚えないし、ベクタープライムが消滅した時も、バドと同様ポカンとするばかりだった。一年かけて一本の物語を描く以上は、CGや視覚効果に力を入れるよりも、誰にもついていけないストーリーや個体として認識できないキャラの薄さをどうにかするべきだったと思うのだが。 GONZO制作によるCGのトランスフォーマー描写は、かなり良かった。バトル描写にも、おっと思わせる場面は多々あった。しかし、それ以上にもっと根本的な部分が作品全体の足を引っ張っていたのは、如何にもGONZOらしいと苦笑するのみである。 | 転載可
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