2006年1月1日/15時半ごろ。
祈祷師エモンと戦士達が古の祠に到達したとき、まだ最後の巨像は倒されてはいなかった。
彼らが祭壇に気づき、そこに横たわる少女に気づき、
件を持ち出したワンダが何をしようとしたのかはっきりと悟ったその時に、
残されていた石造が光を放ち、崩れ落ちたのだ。
驚く彼らが息を呑む中、一人が床をさして声を上げた。
そこには戦い終わり、疲れ果て、剣さえ手放したワンダが倒れていたのだ。
だがもうそこにいるのは、彼らの見知った青年ではなかった。
肌はもはや死人のように青ざめ、立ち上がり、あげた顔の二つの眼は、
闇のような漆黒の中、青白い火をちろちろと燃えあがらせる。
そしてこめかみより生えた小さな角。それはもはや、この世ならざる
異形のしろものであったからだ。
彼はゆっくりと立ち上がる、皮肉にも、
彼自身が倒してきた巨像と同じになってしまった目は、
その場にいるだれでもなく、祭壇の少女だけをうつしていた。
超ビックリした。
何に驚いたかって、ツノです。ツノですよ皆さん!!
その皆さんというあたりがICOプレイヤー限定なあたりなんじゃそれってな具合ですが、
ICO済ならば思わず悲鳴を上げてしまうものが!あったから!
ツノですよ皆さん!!(二度目)
ついに最後の巨像を倒して戻ってきたかと思ったら、
そこには追跡者な祈祷師ご一行が到着なワケですから、
思わずモニターに向かってこう叫ぶってなもんです。
邪魔をするなァー!!
矢を受けた体が石の床に倒れ付す。彼について歩く黒い人影が歩みを止める。
少女まではまだ遠く、伸ばした腕は床をかく。せめてもの情けよ、と響く声。
祈祷師に促され、一人が腰に帯びた剣を抜く。金属のこすれる静かな音、
静かな足取りで戦士の一人は歩み寄り、
倒れたワンダの心臓めがけて、手にした剣を突き通す。
一度痙攣し、静かに動かなくなる襤褸じみたワンダ。
それで全ては終わりになる――――はずであった。
だが、彼はまた、動き出す。戦士達が戦き、僅かに身を後ろに下げる。
ワンダは不自由な体を奮い立たせ、ゆっくりと立ち上がり、
胸を貫く剣を、渾身の力でもって引き抜いた―――噴き出したそれはもはや、
命の赤ではなく、死者の黒。
黒い!!黒いよ?!てか巨像?!
巨像になっとるがなー!!
もう、この一連のムービー中の大混乱と来たら!
手元のメモ(一周目のもの)が判別不能になるほどの混乱振り。
ツノってだけで大騒ぎなのに、体まで巨像モードかよ!と
コントローラー片手に大騒ぎですよ!
しかもこの後ついに、ドルミン大復活です。
こ、これが代価かー!そして巨像を倒すたびに増えていった影は、
どうやらバラバラにされたドルミンそのものだったようですね!
祠にドルミンの意識、後16体の巨像にそれを封印していたようです。
噂ではありますが、
少女はこのドルミンの定期的な封印のための生贄だったとかなんとか。
『戦士の体を借り受けて―――――』
祠の天井に近く、黒い影が腕を伸ばす。振り上げ、薄く煙をあげて石の床に叩きつける。
直撃をさけたものの、あおりを食らった戦士の一人が、手にした矢を取り落とす。
それでも彼らは、祈祷師エモンに付き従う戦士らは、手にした弓から次々と矢を放つ。
矢は巨体に吸い込まれるように叩きつけられるが、
すぐにゆっくりと黒い巨体に吸い込まれていった。
影が、ドルミンが、かつてワンダという青年であったものが、
ゆっくりと少女の横たわる祭壇に進んでいく。
その隙を突き、祈祷師達は駆け出した。古の剣をとり、祭壇に背を向け、
上へ、上へ、出口へと・・。
このドルミン・ザ・ワンダ。コントローラーでぐりぐり操作することができます。
ちょっとならジャンプも可能。巨体が跳ねるのはちょっと見ものです。
そしてこの巨大ドルミン、頭に巨大なツノ二本。上半身が大きくて、
背中に謎の枝がニョキニョキ生えていてかなり不気味。
いや、実のところ不気味ポイントは背中だけだったりするのだけれども。
戦士たちを先にいかせ、祈祷師エモンは剣を取った。
両手に掲げ『――鎮まれ!』螺旋階段の下、小さな泉に向かって投げる。
銀色の煌きは、狙いたがわず泉に吸い込まれ、そこから光があふれ出した。
光はたちまち渦を巻き、風をおこし、暴風となって吹き上げる。
それは祭壇の間まで及び、ドルミンの黒い体を吸い上げていく。
背後の異変に気づき、首を向けるがもう遅い。風は、黒い体から影を吸い取り、
吸い取り、吸い上げ、大きかった姿は人ほどまでに小さくなる。
それはもがいた。人の形をした影はあらんかぎりの抵抗をこころみた。
床の継ぎ目に指をかけ、前へ進もうと試みる。
かつてワンダという姿であったころのように。
背後には煌く渦。強く、強く、異形のしろものを封じるべく、
白い風がその体を引き剥がし、影は背後に大きく転げた。
床をすべり段を越えて、とうとう泉の淵にしがみつくだけになった。
人の姿であった頃、手綱をとり、愛馬を叩き、弓を引き絞り、
巨像の背を上り、剣を握り締め戦ってきた、その腕さえも適わない。
それでも、泉の淵を握り締め、彼はゆっくりと動いた。
せめてあの娘の見える場所へ。
もうこの手では届かない、遠くに見える、少女が横たわる祭壇。
―――そうしてようやく、固くしがみついていた指が解かれた。
最後に上げた声はなんであったのか、
光の中に、影と成り果てた青年は消えていった。
もう、この間、発せられた言葉はただ二つ。
「ウソー!!」「マジでー?!」
モニター前で、よゐこの濱口優のような奇声を上げる管理人。
普通に変な人だった。平日の夜でよかった。
よかったのかどうかはいまだにわからない!
―――祠に、再び静寂が戻る。全てが終わり、全てが去り、
祭壇の少女だけが残される。と、横たわる彼女の睫毛が小さく震えた。
最後の最後ではあるが、ドルミンとの誓約は守られ、失った命は取り戻されたのだ。
身じろいだ体がゆっくりと起き上がり、いきものの光をもった瞳が、
辺りを見回す。そろそろと祭壇より体を下ろし、素足が冷たい石の床に触れる。
その時、表から近づく硬い蹄の音があった。
いかような奇跡か、最後の遺跡で落ちていったアグロが、
主を求めて古の祠に戻ってきたのだ。
思わずうれしい悲鳴もあげるってもんだベイベー!!
このまま少女一人で生きていくのかと思ったよ!
祠に通じる橋は祈祷師ご一行が帰るときに崩れちゃったし!
ワンダもいないしアグロもいないしでむしろデッドエンドですかコニャローと
部屋をゴロゴロゴロリズムってみたりもしました。
ああ、頑張って見ていてよかった・・!
この一人と一頭は、いままで起こったことをどれだけ理解しているのでしょうか。
少女はもしかしたら、全部しっているかもしれません。
巨像を倒すと通るあの黒い場所の時に、
悲しげな女の子の声が聞こえておりました。
あれがドルミンとかはありえんだろう・・!ムリムリ!!
足を引きずるアグロの後ろをついてあるき、崩れた石造の並ぶ部屋から出れば、
そこは高く高く続いた螺旋階段の底であった。
―――少女の耳に、小さな小さな、生き物の泣き声が聞こえる。
枯れてしまった泉の中、そこには小さな角を頭の両脇に生やした、
生まれたばかりの赤子がいた。少女が抱きあげれば、
小さな体をしたばたさせる。彼女はあやすように揺すってやった。
そうしてようやく収まりのいい場所をみつけたのか、
赤子は腕の中でおとなしくなった。
赤毛の
ツノの生えた
A・KA・GO!!!!
もうシマったら大興奮。コントローラーガチャガチャしながら大興奮。
反応アリで紛うことなきワンダで
最・高・潮!!
祠を回る道をゆっくりと登っていく、一頭と二人。
時折声を上げる赤子をあやしながら、たどり着いたのは美しい庭園。
空から光が降り注ぎ、水路を水が流れ、実りの在る木々がそこかしこに生えている。
ふと、水路の向こうを小鹿が顔を出した。
鼻を向けたアグロに興味を持ったのか、軽々と飛び越え、恐れもなく近づいてくる。
他の小さな生き物たちも茂みから、梢から顔を出し、
来訪者たちを出迎えるように集まりだした。
腕の中の赤子が、挨拶をするように小さく声をあげた。
空は高く、穏やかな庭に、光に溢れている・・・。
これでちょこちょこワンダ書きの
背景画像になっていたちびっこワンダに繋がるわけですよ!
もう、最初は何事かと思って攻略サイトを見て周りましたが、
エンディング後に想像しまくった結果、あれはあれで非常に
グッドなエンディングであったと大納得。
勝手にICOにも繋げます!
祈祷師もいってたしね!「もし生き続けることができたなら、
いつか報われる時代がくるかもしれない・・・。」と!
ちなみに「時代」には「とき」とルビが振ってありました。
これでイコがワンダの生まれ変わりで、ヨルダが少女の生まれ変わりで、
出会うために角を生やして生まれ、女王の子として生まれて、
何度も何度も繰り返しながらようやく出会ったがこそ!
ヨルダはあの時、みもしらぬ少年の差し出す手を躊躇うことなくとった。
とかだったらいいなぁ・・!
■上に戻る
|