キタロー7歳とエンペラー18歳。 対デス決戦存在ペルソナになっちゃったちびっこと、 万象の仮面フィレモン経由、ペルソナエンペラーを極めちゃった青少年。 一緒に暮らしたらこんな事もあったりするんじゃないの?という小話。 生まれたばかりのデスはエンペラーに気圧されたらいいんじゃないかな、という趣旨。 キタローもペルソナ使いに正式覚醒は10年後のご予定なので、 デスのスメルだけ感知されちゃえよYOUというご都合主義。
きみペの説明へ撤収!

藤堂尚也は夢の途中で突然目が覚めてしまった。

まだ制服を着ていた頃の夢を見て、 これから悪魔と戦おうかってときに目が覚めてしまった。 夢の中の自分はずいぶんとやる気に満ち溢れていて、 目の前の悪魔はそれに気をされてしまったのか、 なんとも小さくなってしまうのだ。 目が覚めた今だからこそ思う。夢の中の自分は、ちょっと酷かった。 あんなに縮こまるまで威嚇しなくても、いいんじゃないかとさえ思う。 それにしても、夢の中のいじめっこははたして今思考を重ねる自分なのか、 それとも皇帝として目覚めたペルソナなのか。
肺から空気を吐き出すようにそこまで考えて、例えるでなく溜息をつく。 今夜も寝床に潜り込んだちびっこを、 そろそろ元の寝床へ投げ込もうかと視線を向けたそこに、

黒いものがいた

・・・ような気がした。夢の続きかと目元を擦った間にそいつは消えた。
そいつの幻を追って、眼差しは同衾したちびっこへと流れていく。 仰向けに眠るちびっこ。毛布がずれ、パジャマの裾から覗いた真っ白い腹。 この子供は死体のように眠る。身動き一つせず、初めて見たときに驚きを覚えたように。
たとえペルソナ使いの共鳴を僅かに感じても、今、 手を伸ばし触れて、暖かさを確かめねば、 そのまま眠って見る夢が悪夢になるような気がするように。

「なおや、時々寝てるときにおなかさわる」
「なななななおりぃ――ん!こ、子供子供子供に!
 あんないたいけなちびっこに発情するよりオレ様がいグハッ!」
「・・・落ち着けヒデヒコ!(顔面にヤクザキック)」

自分とちびっこの横たわるほんの隙間に、 入り込んだ黒いものは、なんだか夢の中の悪魔に似ていたような気がしてならないのだ。