| ★モドル★ |
三浦恭子 |
「・・・・・・・・・・ええと。」
「・・・・・・・・・・・・・・」
セルジュとサラは二人してベッドの上で向かい合ったまま1時間かたまったままであった。
幸せな結婚式の余韻はどこへやら。
いざ二人きりになって初めて気づいたのだが・・・・。そう、結婚式の後、と言えば。
『初夜』である。
思い起こせばこの二人付き合っていたころころから無意識にそういうことを避けていたせいか
サラはいまだ清らかなる乙女であったし、セルジュもまた然りであった。
もっともセルジュのほうはそれなりに(若い男であるし)
考えてはいたがどうしてもキッドに殺されそうな気がして言い出せなかったのである。
今日寝室に戻って「布団は一つ、枕は二つ」を見てサラもようやく状況に気づいて今にいたっているのであった。
「もう今日は疲れたし眠ろうか。」とでも言ってこの不毛な状態を打ち切れればいいのだが、
二人の頭の中はそんなことを考える余裕などなくなっていた。
(かんがえてみればそうだけどけっこんしたんだしそれはそうだけどでもでもわたしはまだはじめてだし
せるじゅははじめてなのかなはじめてじゃなかったらそれはそれでいやだけど
へたでもやだなっておれなにかんがえてるんだああああああああ)
サラの頭の中はこんなものである。
(さっきからずっとこのじょうたいけどやっぱりいやなのかなそれはそれでしょっくなんだけど
まあかのじょのきもちもかんがえるべきなんだけどだめだきんちょうしてあたまのなかぐちゃぐちゃだよ
たすけてとうさああああああああん)
セルジュの頭の中である。
「あのさ・・・・サラ・・・」
びくっとしてサラが後ずさる。あからさまな警戒にセルジュも途方に暮れ再び黙り込む。
「ごめん・・・・。あの・・・・・。」
サラが大きく肩を落とした時、二人の間に小さな蜘蛛がツーっと降りてきた。
サラの目が大きく見開かれる。
「きゃあああああああっ!!!」
悲鳴を上げてサラがセルジュに飛びつく。そのまま二人してベッドに縺れ込んだ。
「ちょ・・・ちょっと・・。」
「くもくもくもーーーー!俺蜘蛛だけはだめなんだよ!!何とかしてセルジュ!」
「だ・・・大丈夫。大丈夫だよ。もういなくなったから。(君が散々暴れたせいで)」
「ほ、ほんと・・・?」
恐る恐る彼女が体を起こした。大きく息をついてはっとお互いの状況に気づく。
セルジュの上に馬乗りになっていたサラは真っ赤になって彼のからだの上から降りようとしたが
ぐっと腕を捕まれた。
「?!」
「・・・・・・・サラ」
(・・・・・・・あ・・・・・・)
セルジュの深海を思わせる瞳がじっとサラを見つめていた。
(なんて・・・穏やかな瞳・・・・)
「・・・・ずっと・・・・好きだった。セルジュの私を見てていてくれる・・・・この目が・・・。」
「・・・うん。」
セルジュがサラの腰と背中に腕を回しお互いの体勢を入れ替える。
サラもゆっくりとセルジュの背中に手を回した。
「あ。やっぱり背中少し硬くなった。」
「当たり前だろ?サラはすこしふっくらした?」
「ばか。」
照れ隠しにサラはセルジュの肩に顔を埋めた。
セルジュはくすりと笑って彼女の頬に軽くキスをした。サラの体が少し震える。
「・・・恐いかい?」
「あ、あたりまえだろ。はじめてなんだから・・・・。」
「うん。まあ。これからよろしく。『奥さん』」
「よろしく。『旦那さま』?」
顔を見合わせて笑ってからお互いの服に手を掛けた。
(・・・ルッカ・・・姉ちゃん・・・)
義姉が笑って自分を見守っていることを感じながらサラは目を閉じた。
翌朝。
「っつう・・・・!」
「大丈夫かい?」
腰に響いた鈍痛にサラは顔を顰めてうめいた。
体を起こしたセルジュが彼女の顔を覗き込むも、じろりと睨みつけられる。
「な、なんだよ・・・。」
「私・・・・休ませてっていったのに。あなたときたら・・・・・。」
「ほら。僕若いから。」
「・・・・・・いばるな!あなたいい性格になったんじゃないの?昔はもっと大人しい奴かと思ってたけど・・・」
「ほら。いろいろあったから。」
「・・・・・・・もういいわ。私シャワー浴びてくるわ。」
「あ、じゃあ僕も一緒に。」
「なんで!?」
「今更恥ずかしがる仲じゃないじゃない。」
さらりと言ってのけるセルジュにサラは頭を抱えた。
(こいつ・・・自信つけると強くなるタイプか!?)
サラはこれからの夜を思うと絶望感を覚えずにはいられなくなった。
END
セルジュかっこいいー!(笑)イヤー恥ずかしいー。
初夜ネタやったら次は御懐妊ネタなんですかね。どんな子だ・・・・。