HUMAN CRY
三浦 恭子
「クレアー・・・おなか空いたよー・・・。これ食べられるかな・・・。」
「駄目よシェリー。落ちてるケルベロスなんか・・・。せめて火炎弾でこんがりやいたのにしなきゃ・・・。」
クレアとシェリーは下水道の中を何時間もさ迷っていた。空腹と疲労にお互い限界を感じていた。
「まいったわねー・・・。ゾンビの気持ちがよく分かるわ・・・。」
ぐうとなったおなかを押さえてクレアがうめいた。
「弾も残り少なくなってきたし・・・。レオンには連絡取れないし・・・。どうしよう。せめてシェリーだけは助けないと・・・・。」
珍しく人道的なことを言っている。と、その時。
「ウウ・・・アアア・・・!!」
「ちっ!ゾンビが・・・!」
慌ててねらいをつけるも、かちかちとむなしい音が響く。
「た・・・、弾切れ〜〜〜〜!?」
「クレア!危ない!!」
思わず覚悟して目をつぶった時。
ズダダダダダダダ・・・・・・・!!!!!!
アサルトライフルが火を噴き、ゾンビを打ち抜く。
「だ、誰・・・!?」
「フフフフフフ!天呼ぶ、地呼ぶ、人が呼ぶ!!!」
「・・・・・・・クレア。・・・・・あそこ。」
目を凝らしてはしごの上を見ると人影が見えた。そしてどこからかスポットライトがその人物を照らし出す。
「体当たり戦士!!」
びしっと人差し指をクレアに向ける。
「青年〜〜〜」
顔の前で手を4〜5回交差させる。
「カルロス!!!」
今度は、下で手を握ってびしっと交差。
パアンッ!!
「うっ!そ、そんな・・・。助けてあげたのに・・・。」
ドターンとカルロスが後ろに、ひっくり返り、あたりは静まり返った。
「わ、私、思わず・・・。」
「彼がパフォーマンスしてる間、しっかり弾充填してたやん。」
「手が、勝手に・・・。」
シェリーのつっこみを無視してクレアはうな垂れた。
「ひどいよなー。人がせっかく助けてあげたのに・・・」
ぼやきながら、カルロスは時計塔へ戻った。
「遅いわ!馬鹿たれ!!あんたがのほほんとどっかいってるから、こっちはウイルスに感染しちゃったじゃないの!
さっさとワクチンとってきなさいよ!!!」
ジルがネメシスの頭を踏んづけながらカルロスに向かって手榴弾を投げつける。
「・・・・・バイオシリーズのおんなって、どうしてこう・・・。」
飛んでくるそれを眺めながらカルロスは溜め息を吐いた。
おわり
■あとがき■
今の話をまとめると、2001年の2月までにカルロスが地上50mの命綱なしの綱渡りを成功させれば、
次回作に出演できるということで。(笑)
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