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GO UP HILL title
ウルフ 十分に機が熟して。
まんをじして。リリース間隔、少々、空きましたが。

だからというわけではないが。丁寧に練り込む半面でヒネくれた一面は残し、なおかつダイレクトに人の心を掴むポイントをちりばめて、駆け抜ける。
「ウルフ」は疾走する。夏の灼けた暑さのまま吹く風のままに。ダイレクトに身体にぶつかると心を揺さぶらせて。

 
「ウルフ」
c/w:「スプーンII(2)」
「ウルフ〜no lead version〜

1997/06/21リリース
2002/09/26再リリース(12cm)

男らしさの中でもワイルドさを前に出して。というのは、前年「カレンダー」でもなかったシングルの機軸ではなかったでしょうか。
これ以前に「男らしい」がゴスペラーズ内、ブームだったんじゃあなかったかと(以下発言自粛)

この時期の安岡さんの歌詩の狙い目が、私は相当、心のキャッチャーミットにパシーンパシーン、入っていたです。
「エライ!!黒沢さんが歌うからエグい歌詞が爽快なのを見越して当て込んだな!!」
「c/wの曲。メロディといい構成といい唸らずにいられないけど歌詩よ、歌詩」
後に、私、さち個人の安岡氏の作詩、最高潮最高点を訊かれると「『Vol.4』から「未来」」になってまうわけなんですけども。才気を感じます。

  実のところ、ゴスペラーズが歌うエロって下品にならないエロに収まるケースが多いんですよ。
生来の人の良さか?品…、というか育ちの良さ(基本気質優等生)が隠しても出ることがあって、相当際どい歌詞をあてても耳にしている分にはスーーーッと聴けてしまう。という特徴があります。
『FRENZY』と同日に発売された「Get me on」なんていうのは、酒井さんをフロントに正面切って、そういう曲をシングルにしてみました!!どうでしょう?という匂いを感じます。
これをやらすと無敵なのが、特に当時の黒沢さん。かつての佐藤竹善さんばりの「爽やかにH」(大爆笑)ですってば、これ。

だから。声に微量の猥雑を匂わせがちな村上さんには、あの「ウルフ」の突き抜ける痛快!!爽快!!全開!!といったポップなアレンジじゃ収まらないでせうな…。ってなるんです。
トドのツマリこの人は「Something in my soul」になるよーな(爆)心を微妙に騒がせる不安定さを半面で持ち合わせているように思います。
だから。このふたりに達郎さんの「Ride On Time」、がいいな、それぞれにリードを歌わせたら。その微妙な違いがパキッと見えてくるって思うんですわ(主張)

「スプーンII(2)」は…
後に「『銀河鉄道999』そのままだったんで笑った」というコメントが漏れたものの「この曲はスゴイ」とキッチリ認識させてくださいました!!の、これまた名c/w曲。やー、あの「CENTURY」を生み出したコンビだけある、それだけの曲をこの段階でドロップしてんですよねえ…
聴いていくと底辺を流れる北山さん「らしい」メロというのが北山楽曲、根強いんですけれど(「約束の季節」は典型ですね、Aメロ、Bメロの要はサビ前の、えれぇ細かい、あのパートだろ!!となりますよう)存分に曲のそこかしこに溢れていて。
…音楽に相当拘り性の、それも頷けるだけのキャリアのある音大出身の友人がいまして「ゴスペラーズ、この曲は本当に良いね」と褒めたのが(なかなか褒めない人なのです)「スプーン」だったのですね。
で、北山さんの音楽遍歴(シンセサイザー科でバークレーの夏期講習に参加したことがあるとか、ピアノやってたとか、TAKE6にハマってただの…)を話したところ納得しておりましたが。
「II(2)」なので、アルバムの「スプーン」とは、また違う。だからといって「extended」にせず、ここで敢えて「II」にしたところを踏まえつつ聴くと新たな発見があるかもしれません。

 
 
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