ママレな心理科


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1997年 5月12日

ママレな心理科vol.1〜亜梨実の発言を検証〜

 では、これから私の連載をはじめます。
 心理科ってもちろん『しんりか』って読みますよ。理科を勉強するわけじゃないですから。(笑)
 1回目は中3の終わり亜梨実が遊に言った『あんたには一生まともな恋愛なんてできないわよ!』を検証してみようと思います。
 まあ、遊はその答えとして『そうかもな』と答えています。
 私は、もうこのころから、遊が自分の思う女性としか付き合わないようにしようと思っているんですね。
 遊は『もしも』とおもって亜梨実と付き合うのですが、結局自分が心から愛せる女性ではないとわかるんですね。
 だから、結局は付き合わない。
 結果として、自分が心から愛する女性が光希であることに行き着くのですが、それまでまだ1年ほどありますから、光希の存在を知っているわけではないです。
 ですから、このときに『そうかもな』と答えるわけです。
 この時点で亜梨実は遊のことを本当に好きなわけで、ふられたショックも大きかったでしょう。ふられたという事よりも、遊と付き合えられるという自信を持って試しに付き合ったのにふられてしまうという、自分の自信を打ちのめされるということでのショックが大きかったのでしょう。
 そのショックが『あんたには・・』という発言に結びついたのでしょう。
 亜梨実の失敗は、遊にとっての運命の人が光希であるということをぎりぎりまで見抜けなかったことでしょう。まあ、亜梨実の自信というものがこの失敗の要因になります。
 亜梨実は光希よりも自分が遊にはむいているとおもっていたわけですからね。

1997年 5月30日

ママレな心理科vol.2〜亜梨実の芝居を検証する〜(8話より)

 6話から亜梨実が急激に銀太に接近し7話からは芝居することにしましたが、亜梨実はこのときすでに銀太を狙っていたのではないでしょうか?
 理由がわからないものの遊が自分に振り向いてくれないというのが少しずつわかってきたのではないでしょうか?(ママレな心理科vol.1を参照)
 振り向いてくれない遊に対して見返そうという事で銀太と芝居ながらつきあってみようと言うことにしたのでは。
 もし、亜梨実がまだ遊に興味があっても、うすうす光希には勝てないんじゃないかというのがわかってきているのではないかなと思います。
 そこで、光希の焦りをあおるための芝居とも考えられます。
 そして、光希と遊が結びついた後、自然に銀太が自分に向くように差し向ければOKです。
 銀太は六反田と同じ血筋ですから、最後まで遊と争い続けることになります。
 この芝居に乗っていようがいるまいが結局は同じ結果となってしまいます。

1997年 6月29日

ママレな心理科vol.3〜大混乱の光希〜(11話より)


 この話の最後に『おまえ次第だよ』なんて言われてます。
 これは言っちゃいけない言葉ですね。
 なぜか?今の光希は、自分の判断で行動ができないような気がします。
 それは、大混乱しているから!!という理由なんですが・・。
 平凡な高校生だったのが、急に両親の入れ替え、同年齢の男の子と同居はする。
 昔好きだった人には告白され、同居している男の子も好きだったりする・・・。
 こんな状況で、昔好きだった人に『おまえ次第だよ』なんて言われると大変です・・。
 そりゃあ、遊みたいなひとだったら混乱なんかはしてないですけど、光希だからこそ、こういう窮地に立っているんですね。
 これをどういう風に乗り越えるのか、周りからの対応はどうなのか?
 ちょっと興味がでてきます。

1997年 6月29日

ママレな心理科vol.4〜光希の判断ミス〜(12話より)


 この回で光希が茗子の家に泊まりに行きますが、このときに銀太への返事を招待試合まで待ってもらっていることに関していくつか言っています。
 結構いいところをついたアドバイスでしたが、現状での光希にうまく対応するのがあったかどうかといわれると難しいところです。。
 あと少し銀太への答えの時間をのばした方がよかったと思います。
 なぜか?もちろん遊を知る時間がほしかったのです。それに光希、茗子ともに気づいていないのです。
 答えをのばせば銀太が傷つくのか?といわれると怪しい。
 心配するほど傷つくって事でもないし、答えをある程度のばしている方が銀太にとっても幸せなのでしょう。
 でも、なんで遊を知る時間が必要なの?それは次回で。

1997年 6月29日

ママレな心理科vol.5〜茗子の判断ミス〜(13話より)


 さて、喫茶店で思わぬ発言。
「松浦君は光希にとって新しい存在だから、一時的に強く引かれただけかも。本当に好きなのは銀太だったりして・・・」
 さて、これは判断ミスですね。どうして判断ミスか?
 光希にとって銀太は何でも知っている存在です。それに対して遊はなにも知らない、なにもわからない存在です。
 この状況で銀太と遊が同じだけ好きなのなら遊の本当を知ったとき遊をどれだけ好きになるのでしょうか?
 遊は孤独なイメージがありますよね。なぜ孤独なのかというところが光希にわかると遊のことがものすごく好きになってしまいそうです。
 この辺が茗子の判断ミスかな。

1997年 6月29日

ママレな心理科vol.6〜外野がなにを言っても・・〜(14話より)


 亜梨実が光希の前で『あなたは遊にふさわしくない!』って言ってますが、外野がなにを言っても遊の好きな人は変わらないでしょうね。
 ちょっと悲しいですけど、いくら亜梨実が遊のことを一途に思っていても無理なものは無理です。
 光希は『遊にも銀太にもそれぞれ違う魅力があるし・・』といっています。要するに遊でも同じ事です。
 確かに亜梨実にもそれなりの魅力(正確)などすべてを含んでがあるのでしょう。しかし、遊にとっては亜梨実の魅力よりも光希の魅力の方が大きく、好きになるなら光希みたいなひとがいいなと思っていたのでしょう。
 だから、たとえ亜梨実が自分のことを好きでも、亜梨実は好きにはなれない。好きになれるのは光希だけなんでしょう。
 ただ、遊は告白されたときの断りかたを知らないんですね。
 というか、自分が好きになるのはこういうひと!ていうイメージが亜梨実に告白された頃にはまだなってないんです。
 もし、なっていれば断りかたも『おまえ以上に好きな人がいる』とか答えてたんでしょうね。
 そのイメージができないまま、光希に出会って、『自分はこの人を好きになるんだ!』って思ったんですね。
 もし、自分から遠い存在に光希がいたら(たとえばアイドルとか)『自分はこういうひとを好きになるんだ!』なんて思いますから、好きになる人を永遠に捜し続けるのでしょうね。
 遊は運がいいですよ。自分が好きになるべきひとが間近にいるんだから。

1997年 8月22日

ママレな心理科vol.7〜光希と茗子の違い〜(15話より)


 さて、この回、光希と茗子の親友の関係が一気に崩れかけてしまうという話ですが、これには大きく光希と茗子の違いが現れています。
 簡単に言うと、茗子は1人・光希はたくさんというところなんですが、何言っているのか分かりませんね。(笑)
 これは行動・思考するときに頼る人だと考えてください。
 例えば、光希は頼る人物は茗子であり、銀太であり、両親sであり、なっちゃんであり、桃井先生であり、ときには遊なんかにも頼っているのです。
 それに対して茗子は両親が不仲であり、自分のためにはなってくれないというのがこどもの頃からあったんでしょう、基本的には他の人には頼らない、1人で行くという考えになっていたのでしょう。
 光希はこの対象に半分入って半分入っていないという状況であったようです。簡単なことであれば光希に頼ったりもするのですが、重要なことは自分で考える、または唯一ほとんどのことを頼っているなっちゃんに頼っているのでしょう。
 もっとも、14話の事件は光希にも頼ることができたのですが、自分の両親が不仲で自分が何もできないというのを光希にみられたくなかったし、かといって自分一人では何もできなかったということでしょう。
 光希の場合だったら茗子に頼っているかもしれません。まだ、恋人という親友の存在を越えるようなものがないから。
 遊に頼ることもありますけど、自分から頼っていくというよりも、遊が光希に近づいてきて、それに光希が頼っていくといった感じです。
 まあ、この回の最後で茗子が光希に言った言葉とかは結構感傷的なものも多かったので、何とかなると思います。
 しかし、光希もこういうところまで考えが回っていれば、こういうことにはならなかったとおもいます。
 でも、そこまで考えが回らないというところが、遊にとっても、茗子にとっても光希の魅力であるかもしれません。

1997年 8月22日

ママレな心理科vol.8〜でも、こうするしか・・〜(16話より)


 この回は、なっちゃんが責任をとって教師を辞めるというものです。
 まあ、責任をとってと言えば聞こえがいいのですけど・・・。
 三輪にうまく言われています。『教師を辞めるのは建前で本音は逃げたいだけ』と。
 まあ、裏を返せばそういうことになるのでしょうか、しかし、やめるという事にかんして、この場ではなっちゃんには選択肢はそれしかなかったようです。
 というのは、なっちゃんがこの学校で教師を続けて、茗子が生徒で学校に通い続けるというのは絶対にあり得ないことでしょう。このようなことが起こったからには、どちらかを学校からなくさなければなりません。
 もっとも、2人とも残ったとしても、気まずいでしょうし、周りからの目もどういう風に見られるか・・。
 じゃあ、なっちゃんがこの学校に残ったら、茗子の退学処分は決定でしょう。しかも、受け持ちの生徒と交際していたという過去を引きずってまで教師はできないでしょう。
 なっちゃんとして、茗子を学校に残したい。そうするには自分がやめるしかない。
 また、これが茗子の前から去るチャンスであるとも思ったのでしょう。こんな事が公になったしまったら、茗子がどういうふうな目で見られるか、自分が目の前から去れば少しは周りの目が和らぐかもしれない。
 そして、これ以上は茗子とはつきあえない、それなら、遠くへ去ってしまおうと・・。
 結局、茗子の幸せためを思って学校をやめるということになります。
 しかし、本当に茗子の幸せためかどうかは疑わしく、周りの目が厳しくても、一緒にいたほうが幸せとか、自分は退学でいいから、なっちゃんには学校に残ってもらいたい。そっちの方が幸せだとか。
 結局、最終的な意味合いとして茗子を学校に残すためにやめたと言った方が正確かな・・。
 まあ、なっちゃんのクラスの人で、なっちゃんが学校を辞めるのに反対しなかった人はいなかったようだけど、もし反対しない人がいたら、なっちゃんが嫌いなのか、こういうことがわかっているのかのどちらかでしょう。

1997年 8月23日

ママレな心理科vol.9〜なんでもわかるのかなあ?〜(17話より)


 なんか、遊は何でも分かる人のような気がしますね。
 まあ、『タクシー待たせてあるから』と『光希をよろしくね』で広島に行こうとしていることを見事に見破ってますね。
 でも、見てても茗子の行動とか少しおかしく見えます。
 どこがおかしく見えるのか?
 茗子が光希の部屋の前にたって話すシーンなんですけど、せっかく遊が『俺は向こうにいるから』といって、その場を去ろうとしているのに、いてくれるように頼んでいます。
 これは光希と茗子の問題であるのだから、遊は関係ないですよね。でも、わざわざその場にいてくれるように頼んで、話を聞いてもらっていますよね。おかしい。
 それから、茗子が光希に話しかける口調。「もう会えないから、今思っていることのすべてを言う」っていった感じが強かったです。
 そして、遊との別れ際、『タクシーを待たせているから』・・ここまで茗子の家からそんなに遠くないのに、なぜタクシーで?どこかへ行くのか、それとも何か荷物があるのか?
 『光希をよろしくね』確かに光希に一番近いのは遊だけど自分も親友という立場であって、光希とは近い立場にいるのに。なら、光希の前からいなくなるということか?
 そこで、遊はピンときてますね、なっちゃんと一緒に広島へ行くつもりなのだと。
 で、そこで、もう一つ分かったことがありますね。
 今の茗子の支えは光希だけということを。
 きっと、なっちゃんがなぜ学校を辞めるのか(前回参照)が分かったから、茗子が追いかけていってもつれていかないだろうと判断したのでしょう。
 そのとき力になれるのは光希だけだということも分かったのでしょう。茗子の周りで大きな存在なのはなっちゃんと、光希と、お手伝いさんぐらいなんですよ。
 でも、なっちゃんは頼れるわけがない、お手伝いさんは親の手前もある、それなら光希しかいませんよね。
 その通り、遊の2つの予想は的中していました。
 でも、そんな遊でも分からないことがいくつかでて来るんですよ。今後は。

1997年 8月23日

ママレな心理科vol.10〜よく見てますね。でも自分もそうでは?〜(18話より)


 さて、この回から茗子が学校に復活となるのですが、どういう風に接したらいいかなあと悩む光希に遊は、『いつもの光希で接してやれよ、それが一番さ』といっています。これにはさすがと思いました。
 もっとも、このあとの冗談の関係で光希には遊がおふざけで言ったようにしか取ってないですけど、これは2つの正しい側面を持っています。
 まず、1つ目ですが、『いつもの光希』=『普段と同じ』ということなんですが、なぜ普段の通りに接するか?
 これは特別な気持ちで接してしまうと、相手は普段に戻れずに、結局は今まであったことを思いだしてしまいます。今まであったことは特別な出来事ですから、普段の通りに接すれば、相手もそう簡単にはそのことを思い出さないでしょう。一応相手もそのことを忘れようとしてますから。
 で、2つ目は、茗子が光希のどこを好きになったかということをついている点です。  牧場のところで光希を見ながら銀太たちに光希のどういうところが好きなのか言うのですが、これは全く普段の光希と変わりありません。
 ただ、光希が普段の調子でいられないときなどは茗子のいう光希ではなくなるんですね。遊はお見事にそこをついたというわけです。
 まだ、光希に出会って少ししかたってないのにお見事!と思うのですが、遊が光希を好きになったのはまた、茗子と同じところであり、自分自身が最も分かっていることなのでしょう。

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